小池栄子「コタツがない家」でダメ男3人養う肝っ玉母ちゃんに
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コタツがない家(日本テレビ系) 水曜午後10:00(18日スタート)
カリスマウェディングプランナーで会社社長の万里江(小池栄子)は、売れない漫画家の夫(吉岡秀隆)、進路に迷う息子(作間龍斗)、熟年離婚され引き取ることになった父親(小林薫)の「ダメ男3人」を養うはめになる。
家族が居間に集うシーンの撮影中に行われたインタビューは、予定より2時間も早く始まった。「(俳優間の)呼吸が大事なシーンが多く、温度を落とさず『このノリで次もやろうやろう』と速く進みました。スタッフワークもとてもいいんです」。弾むような声で理由を教えてくれた。
昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、鎌倉幕府の尼将軍・北条政子を熱演。今回のホームコメディーでは、さながら令和の肝っ玉母ちゃんのようだ。「しっかり者で、女性ならではの芯の強さを持つところは共通していますね」と笑顔を見せる。
物語では、どこか憎めない「ダメ男」の父、夫、息子に振り回されるが、実際は、芸達者たちの絶妙な演技を引き立てる「受け」の芝居に挑戦している。「自分がうまいと思ったことはないです。ひたすら色々なジャンルのお仕事をさせてもらい、必死に場数を踏んだのが、血肉になったと思います」と謙虚に語る。
今やほとんど見かけないホームドラマ。それでも「コロナ禍を経て、切っても切れない家族のつながりを描いたり、ぶつかりながら家族の問題を解決したりする物語は求められていると思います。見終わった後、家族を思う時間が増えてくれたら」と話す。
母性を感じさせる豊かな表現は、温かく、混じりけのない声質があってこそ。そこには生き方も表れているようだ。「誰に対しても正直に接しようとは思っています。本心か取り繕っているか、視聴者の方には透けて見えますから」。撮影が楽しくて仕方ない今、「こんな母ちゃん、奥さんがいたらいいな、と思ってもらえるようチームで頑張ります」。
心でリスペクト
Q.小池さんの家にないものは?
A.それこそ、コタツがないんですよ。私は好きですが、主人はそんなに興味がなく買っていません。1人用を買うのもさみしいし、黙って買おうかとも思うけど、やっぱり一応聞いとかないとな……。
Q.松本人志さんや村上龍さんら番組で大物と接する時の心がけは。
A.最低限の礼儀があれば、大物の方は優しいです。心でリスペクトしつつ、画面に映るときは、おびえずにパートナー、チームでいるように心掛けています。
(文・読売新聞文化部 若林圭輔/写真・大金史典)