声優・梅原裕一郎、さらに渋みや深みを身に付けたい

Netflixで独占配信中のアニメ「ロマンティック・キラー」に出演している人気声優・梅原裕一郎さん。存在感のある低音ボイスが魅力で、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」のウェザー・リポート役など数多くの出演作で知られるだけでなく、写真集を出版するなど、声の仕事以外でも幅広く活躍しています。そんな梅原さんに、「ロマンティック・キラー」で“学校一のパーフェクトイケメン”香月司を演じた感想や、最近ハマっていることなどについて聞きました。

――演じている司についての印象を教えてください。

登場時の彼は社交的な人物ではなく、特に女性に対しては壁がありますね。第一印象は“クールで近寄りがたい”のですけど、実際は優しい部分があって、等身大の高校生の部分をきちんと持っているキャラクター。そこが魅力の一つなんじゃないかな、と思います。

――高校生を演じるにあたって、何か気を付けたことは？

高校生の若さをどう表現しようかと考えました。声のトーンを低くし過ぎると老けて聞こえてしまいますし……。まだ10代の未成熟っぽさを出すにはどうしたらいいのか、いろいろ調整しました。

――ヒロインの杏子はどんな女性だと思いますか？

杏子は気さくに話せるし、面倒くさくなさそうっていう感じがありますね。ちゃんと対話することによって、物事を何とかしてくれそうなところもあるので。

――おすすめのシーンを教えてください。

司が女性ストーカーを撃退するシーンですね。そのストーカーが杏子にケガをさせたことによって、司の怒り、トラウマを克服しなくてはいけないという気持ち、そして杏子を守りたい気持ちが一気に噴き出した。その結果、司には珍しく大声を出すシーンがあるのですが、クールなキャラクターとは正反対の状況なので、演じていて楽しかったです。それまでつらい経験をしてきた司の思いがここで精算されて、彼が前に進もうとしているという姿は応援したくなります。

――共演している花江夏樹さんは同い年の31歳ですね。梅原さんから見た花江さんはどのような印象ですか？

彼はエンターテイナーだな、って思うことがよくあります。「人を楽しませたい」という気持ちが強いのかなぁ、って。たとえばイベントとかでもそうですし。彼はYouTubeもやっているし、自分にはないものですね。

――「ゲーム」「チョコ」「猫」が杏子にとって三大譲れないものですが、梅原さんにとって「譲れないもの・こと」はありますか？

仕事をする上で譲れないことは「無理をしすぎないこと」ですね（笑）。もちろん多少は無理をすることもありますが、体力的にも精神的にも無理をしてしまうと仕事は続かないので、基本的なスタンスとして「無理をしすぎない」ようにしています。

――今後の目標は？

31歳になったのですが、そろそろ“おじさん”の役をやりたいと思っています。それに向けて、勉強というかインプットしなくては、と考えています。声に渋みや深みを身に付けていきたいですね。

――最近ハマっていることは？

ゲームはあまりしないのですが、最近唯一ハマっているのが「スプラトゥーン」です。ゲームをしていると親戚の子供から電話がかかってくるので、通話しながら一緒にプレーしているんですが、楽しいですね。

――この夏、声優としてではなく個人で参加したバンド「Sir Vanity」のライブを行っていましたね。ボーカルとギターの担当でした。

高校の時に部活でバンドをやっていて、それが楽しかったという思い出があったんです。ライブというよりは、みんなで楽器を持ち寄って練習するっていうリハーサルがとても楽しいんです。「仲間内で集まって何かする」という空間が好きなんですね（笑）。

――最後に「ロマンティック・キラー」を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。

全話一挙公開なので、第1話から次へ次へと一気に全部見てしまうのかな。それくらいスピード感がある作品だと思います。エンディングが面白いので、最後まで見てほしいですね。

（読売新聞メディア局　杉山智代乃）

Netflixシリーズ「ロマンティック・キラー」独占配信中