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スピードスケート女子の高木美帆選手(27)が500メートルで、今大会2個目の銀メダルを獲得した。中学3年で2010年バンクーバー大会に出場し、「スーパー中学生」と呼ばれて12年。良い時も苦しい時も、「基礎」を大切にする姿勢を貫き、着実に力をつけてきた。(上田惇史)
「とにかく基本姿勢や体重移動の練習をしっかりやることが大事だよ」。幼なじみで、北海道
忙しい中高生時代だった。早朝の新聞配達が終わると、急いで自分の弁当をこしらえ、自転車を10キロ走らせて高校へ。部活動では、先輩の飲み物の用意や用具の片付けを率先して行った。
全体練習が終わり、他の部員が帰路につく中、「スライドボード」と呼ばれる板の上で左右に滑るトレーニングを欠かさなかった。この積み重ねで、重心の低いフォームが固まった。
部活の後、スケートと並行して打ち込んでいたダンス教室に行くことも。勉強熱心で、遠征の飛行機の中でも教科書を開いた。成績はオール5。同級生から「美帆の1日は、24時間以上あるんじゃないか」と驚かれるほどだった。
大学1年の時、14年ソチ大会の代表選考会で落選。「成し遂げたいことがあるのなら、それ相応の覚悟が必要だ」。敗戦から学び、これまで以上に体をいじめ、全てをスケートにささげた。
「人生をかける」と臨んだ4年前の
「この上ないくらい出し切ったレースができれば必ず結果がついてくる。そして、そう言えるくらいの4年間を過ごしてきた」
大会前、こう言って自信をのぞかせた高木選手。優勝が期待されていた7日の1500メートルは、2位で硬い表情だったが、13日の500メートルでは自己ベストを出し、ガッツポーズした。
試合後、笑顔でこう語った。「