羽生結弦が挑む4回転半、コーチは「ミスター3回転半」だった…ジャンプの進化に意外なつながりも
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女子では、伊藤みどりが88年のNHK杯で成功させたのが初めてだ。伊藤は、このジャンプを武器に、92年アルベールビル五輪で銀メダルを獲得した。
実はこの頃、女子で4回転ジャンプを跳ぶとされていたのが、スルヤ・ボナリー(仏)だ。読売新聞でも、ボナリーが4回転成功と報じていた。ボナリーは、禁じられている宙返りを98年長野五輪で披露した、といえば思い出す人もいるだろうか。
ところが、ボナリーの4回転は、国際スケート連合(ISU)に認められなかった。女子で初めて4回転ジャンプに成功したとされるのは2002年、当時14歳だった安藤美姫だ。ジュニアのグランプリファイナルのフリーで4回転サルコーを成功させ、「とにかく立ててうれしい。練習と一緒の感覚だったので、空中で降りられる感じがした」と喜びを語っていた。
男子はどうか。カナダのカート・ブラウニングが1988年の世界選手権で4回転トウループを成功させたのが初めてだ。日本では、宮城・東北高校の生徒だった本田武史が98年に初めて成功させたとされる。ただ、挑戦の歴史はそれ以前からあった。たびたび紙面をにぎわせていたのが、鍵山正和。92年のアルベールビル、94年のリレハンメル五輪に連続出場した鍵山は、練習では成功させていたというが、ついに公認されることはなかった。現在は、4回転ジャンプを楽々と跳び、今大会のショートプログラム(SP)で3位につける息子の優真(オリエンタルバイオ)を指導している。
さて、これらの歴史に、今大会の羽生結弦が新たな1ページを書き加えることができるか。ちなみにAP通信やロイター通信も、羽生がクワッドアクセルに挑戦することを報じている。
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