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【独自】東京五輪・パラ開催経費、無観客で1500億円削減…人件費減で公費の追加負担なし

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 今夏の東京五輪・パラリンピックの開催経費が、予算より1500億円以上少なく済んだことが大会組織委員会関係者への取材でわかった。無観客開催で人件費などが大幅に圧縮され、チケット代の減収分を上回った。組織委と東京都、政府の3者が精査しているが、追加の公費負担は生じない見通し。

無観客で行われた東京五輪の陸上競技(7月30日、国立競技場で)=関口寛人撮影
無観客で行われた東京五輪の陸上競技(7月30日、国立競技場で)=関口寛人撮影

 開催経費は2019年12月時点で1兆3500億円と試算された。だが、新型コロナウイルスの影響で大会が1年延期され、昨年12月、コロナ対策費960億円を含む計2940億円を追加負担することで3者が合意。予算総額は1兆6440億円に上った。

 収入の柱の一つは、国内外で約1000万枚販売するチケット代約900億円だったが、感染が拡大し、3月には海外客の受け入れを断念した。大会直前、大半の会場を無観客とすることが決まり、児童生徒が対象の「学校連携観戦プログラム」を含めた観客数は計6万人程度にとどまった。

 大会招致時の取り決めで、組織委が資金不足に陥った場合は開催都市の都が負担し、足りない時は政府が 補填ほてん する。チケット収入の激減によって、追加負担が懸念され、コロナ対策の支出で財政状況が厳しい都は当初、政府にも負担を求める構えだった。

 しかし、大会終了後、経費の精査を進めたところ、総額は1兆5000億円を下回った。無観客で入場時の検温や手荷物検査、熱中症対応、警備に関わる人件費などが減ったことが大きいという。

 組織委と都、政府は負担割合について年内の合意を目指し、協議を進めている。現時点で都と政府の追加の公費負担はなく、それぞれに100億円以上が返還される見通しだ。

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