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試合直後のインタビューで、試合の流れをすらすらと説明した。初めて出場する五輪の準決勝だというのに、須崎の冷静さは、普段と全く変わらなかった。
スタドニクはロンドン五輪決勝で小原日登美、リオデジャネイロ五輪決勝で登坂絵莉を苦しめた実力者だ。第1ピリオドは相手の出方を見ていたが、「絶対に取れると肌で感じていて、勝負をかけてワンチャンスをものにしようと思った」。
慎重に勝機を探り、タックルにきたところを上から押さえ込むと、体を投げ出して相手を裏返す「がぶり返し」で4ポイントを奪った。よもやの大技に焦る相手を、今度はアンクルホールドで転がして勝負あり。「練習でグラウンド技もやってきたし、出し切れて良かった」。五輪を知り尽くした33歳のベテランに圧勝し、満足そうに振り返った。
須崎はスピードあふれるタックルで2017、18年の世界選手権を制したが、最近は女子ではあまり見ない大技もたびたび披露する。「男子の海外選手の映像を見ていると面白くて、試したくなる」。ここまでの3試合は、全て無失点でテクニカルフォール勝ち。決勝ではどんな技を繰り出してくれるか。(波多江航)