安倍派の裏金化疑惑、東京地検特捜部が近く強制捜査…議員数十人に一斉聴取か

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 自民党の「清和政策研究会」(安倍派)による政治資金パーティー収入の裏金化疑惑で、東京地検特捜部は安倍派側について、政治資金規正法違反(不記載、虚偽記入)容疑で近く強制捜査する方針を固めた。他派閥でもパーティー収入の過少記載が問題となる中、高額の裏金作りが組織的に行われていた疑いのある安倍派を集中的に捜査するとみられる。

岸田首相が改憲に意欲、「議論の引き延ばしは責任放棄」…改正派集会にビデオメッセージ
辞表を提出後、記者団の質問に答える西村経産相(14日午前9時16分、首相官邸で)=川口正峰撮影
辞表を提出後、記者団の質問に答える西村経産相(14日午前9時16分、首相官邸で)=川口正峰撮影

 内閣や党内で要職に就いていた同派幹部が相次いで辞表を提出する事態となった一連の疑惑は、刑事事件に発展する見通しとなった。特捜部は、14日の閣僚交代など政治日程も考慮に入れた上で、強制捜査に着手するとみられる。

首相官邸に入る岸田首相(14日午前9時39分)=川口正峰撮影
首相官邸に入る岸田首相(14日午前9時39分)=川口正峰撮影

 関係者によると、同派ではパーティー券販売のノルマ超過分を議員側に現金で還流し、派閥側と議員側双方の政治資金収支報告書に収支を記載せず、裏金化していた疑いがある。還流分は直近5年間で計5億円規模に、派閥側の収支報告書への不記載額は総額10億円超となる可能性がある。

 同派ではノルマ超過分を含めたパーティー収入の金額や還流先の議員の氏名、金額などの記録を作成。還流分を収支報告書に記載しないよう議員側に求めるなど、裏金化が組織的、継続的に行われていたとみられている。

 議員側も事務総長経験者の松野博一氏(61)、高木毅氏(67)ら数十人が還流分を裏金化した疑いがあり、その額が1000万円を超えるのは両氏側を含め10人以上いるという。大野泰正参院議員(64)側では5000万円超、池田佳隆衆院議員(57)側と谷川弥一衆院議員(82)側では各4000万円超の裏金化が疑われている。

 特捜部は今月に入り、全国から応援検事を集めて50人規模の捜査態勢を整えた。これまでに還流を受けた議員側の秘書らから事情聴取を進めており、今後は議員数十人に対する一斉聴取にも踏み切るとみられる。

 一連の問題では、「志帥会」(二階派)と「宏池会」(岸田派)でもパーティー収入を実際よりも少なく派閥の収支報告書に記載していた疑いが浮上している。二階派では計1億円超、岸田派では計数千万円が記載されていなかったとされる。特捜部は両派の会計担当者らから事情を聞いており、今後も捜査を継続する。

「政治資金問題」最新ニュース
スクラップは会員限定です

使い方
「社会」の最新記事一覧
記事に関する報告
4835113 0 社会 2023/12/14 15:00:00 2023/12/14 15:07:13 2023/12/14 15:07:13 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/12/20231214-OYT1I50126-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)