介護人材の紹介手数料を透明化へ、平均42万円で事業者の経営圧迫…年度内に具体策

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 厚生労働省は、介護・医療・保育3分野での人材紹介業の規制強化に乗り出す。人材紹介会社に支払う手数料が介護サービス事業者などの経営を圧迫する実態の改善に向け、手数料の透明化や、不当な転職勧奨の防止などを図る。今年度末までに具体策の検討を進め、準備の整った対策から順次実施する考えだ。

厚生労働省
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 人手不足が続く介護分野などでは、採用を人材紹介会社に頼ることが常態化している。厚労省によると、2021年度に人材紹介会社を通じて介護事業者に就職したのは5万6939人で、手数料の平均は1人あたり42万円だった。手数料の額は年収の3割程度と高い水準にあることに加え、事実上法的な上限がないことから、さらに高額な手数料を請求されるケースもあるとみられる。

 厚労省は、事業者が手数料の相場観を正確に把握できるよう、手数料の平均額や離職率について、都道府県などの地域ごとや職種ごとに毎年度、公表することを検討している。21年8月に始まった優良な紹介会社の認定制度の認定基準も見直す方向だ。「紹介した人材が6か月以内に離職した場合は手数料を返金する」との項目を要件として追加することが想定されている。

 悪質な紹介業者の排除にも力を入れる。

 就職先を一度紹介した人に「お祝い金」などと称する金銭支給を約束して転職を促し、転職先から繰り返し手数料を得る行為の指導・監督を強化する方針だ。こうした行為は、介護などの3分野に限らず、職業安定法に基づく指針で禁止されているが、21年度の調査では8件の違反が報告されており、水面下で横行しているとの指摘もある。

 厚労省が運営する「人材サービス総合サイト」に掲載する各紹介会社の離職者数については、公表期間を過去2年分から5年分に延長する。現在は離職の有無を明らかにしない業者も多いことから、追跡調査を徹底させる。

 また、人材を集める際の紹介会社への依存度を弱めるため、オンラインを活用した求人・求職の促進などハローワークの機能強化も目指している。

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4350706 0 社会 2023/07/15 14:04:00 2023/07/15 14:06:42 2023/07/15 14:06:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/07/20230715-OYT1I50065-T.jpg?type=thumbnail

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