「卒業したら俺の女」教え子にセクハラ発言、早大元教授の渡部氏らに賠償命令…東京地裁判決

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 文芸評論家で早稲田大学文学学術院の教授だった渡部 直己なおみ 氏(71)からセクハラを受けたとして、教え子だった作家の深沢レナさん(32)が渡部氏と同大に計550万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は6日、渡部氏と同大に計55万円の支払いを命じた。中村心裁判長は、渡部氏が性的に不快感を与える発言をしたと認定し、「原告の人格権と良好な学習環境で学習する利益を侵害した」と述べた。

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渡部直己氏(2017年)
渡部直己氏(2017年)

 判決によると、深沢さんは2016年4月、同学術院の大学院の現代文芸コースに入学。指導教員だった渡部氏は17年4月、飲食店で「卒業したら俺の女にしてやる」という趣旨の発言をするなどした。深沢さんは18年3月に退学。渡部氏は同年7月、ハラスメント行為を理由に同大から解任された。

判決後に記者会見した深沢さん(6日午後、東京・霞が関で)
判決後に記者会見した深沢さん(6日午後、東京・霞が関で)

 判決は、渡部氏の発言は「社会通念上、許容される限度を超えた違法なものだ」とし、深沢さんが多大な精神的苦痛を受けたと指摘。渡部氏とともに同大も賠償責任を負うと判断した。同大については、深沢さんから相談を受けた別の教授が「(深沢さんに)隙がある」などとする趣旨の発言をしたことに対しても賠償責任を負うとして、計55万円とは別に5万5000円の支払いも命じた。

 深沢さんは作家として活動する一方、20年に「大学のハラスメントを看過しない会」を設立。大学でのセクハラ問題などについて情報を発信している。

 判決後に東京都内で記者会見した深沢さんは、「文学という生きる支えをハラスメントで奪われた。大学には同じ過ちを繰り返さないようにしてほしい」と話した。

 渡部氏の代理人弁護士は「発言について本人は深く反省しており、対応を協議したい」とし、同大は「被害者の方に対し心から深くおわびする」とのコメントを出した。

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