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米国での心臓移植を待つ東京都の佐藤
葵ちゃんはこの日、清香さんとともに医療用チャーター機に乗り、米ニューヨークへ出発した。容体の急変などに備え、機内にはこれまで治療を担当してきた埼玉医科大国際医療センター(埼玉)の医師や看護師ら5人も搭乗した。
父親で自営業の昭一郎さん(41)も長女(4)を連れて別の旅客機で現地へ向かった。昭一郎さんは「多くの方のご支援に感謝しています」と話した。
葵ちゃんはニューヨークにある大学病院に入院する。適合するドナー(臓器提供者)がいつ見つかるか次第だが、平均的には半年ほどの待機期間で移植を受けられる見込みという。
川崎市の五十嵐
「一日でも早く手術を」…国内移植は年数件
心臓移植を受けるため、30日に米国へ出発した葵ちゃんと家族にとって、この約1年半の月日は試練の連続だった。患者と家族の負担を軽減し、一人でも多くの子どもを救うには、国内の臓器提供数を増やしていくことが欠かせない。
葵ちゃんは2021年10月に生まれた。元気な産声を上げたが、右心室と左心室の間の壁に穴が見つかった。昨年1月に穴をふさぐ手術を受けたが、不整脈を発症。ペースメーカーを入れても改善せず、血液を十分に送り出せない重症心不全となった。
転院先の埼玉医科大国際医療センター(埼玉)からは、心臓移植を前提に補助人工心臓を装着するかどうか判断を求められた。装着せず、そのままみとられる子も少なくないと聞き、「これ以上、つらい思いをさせない方がいいのでは」との考えが母親の清香さん(38)の頭をよぎった。