「わさお」眠るように天国へ…人間の90歳代に相当、「ゆっくり休んで」

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愛くるしい姿をみせるわさお(今年2月24日、青森県鰺ヶ沢町の七里長浜きくや商店で)=黒羽泰典撮影
愛くるしい姿をみせるわさお(今年2月24日、青森県鰺ヶ沢町の七里長浜きくや商店で)=黒羽泰典撮影
乗客を出迎える「観光駅長」のわさお(左)と「観光副駅長」のつばき。中央は飼い主の菊谷節子さん(2016年4月17日、青森県鰺ヶ沢町のJR鰺ヶ沢駅で)
乗客を出迎える「観光駅長」のわさお(左)と「観光副駅長」のつばき。中央は飼い主の菊谷節子さん(2016年4月17日、青森県鰺ヶ沢町のJR鰺ヶ沢駅で)

 不細工だけどかわいい「ブサかわ犬」として、暮らしていた青森県鰺ヶ沢あじがさわ町の観光振興に貢献した秋田犬「わさお」が8日、多臓器不全で死んだ。わさおの活動を支援する「わさおプロジェクト」が9日、明らかにした。推定13歳で人間の90歳代前半に相当するという。

 わさおは2007年秋、海沿いでうろついていたところを飼い主となる菊谷節子さん(17年11月に73歳で死去)が保護。長い毛と愛嬌あいきょうのある顔が観光客らの間で人気だった。11年には主演映画「わさお」が上映された。新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなったコメディアンの志村けんさんが出演していた日本テレビ系列の「天才!志村どうぶつ園」でも近況がたびたび紹介された。

 昼間は、菊谷さんが営む町内の焼きイカ店「七里長浜きくや商店」で観光客らを出迎え、夜は菊谷さん宅で過ごしていた。19年5月には同じ秋田犬の妻「つばき」に先立たれた。今年4月以降は足腰が弱って立ち上がれなくなっていた。

 わさおプロジェクトによると、わさおは8日の日中も同商店で過ごしていたが、体調が悪くなり、夕方、眠るように死んだという。代表の工藤健さん(52)は「長年、多くの皆さんが愛し応援してくれた。わさおは旅立ったが、これからも皆さんの心の中で生き続けてほしい」と声を詰まらせた。

 近くに住む女性(47)は「全国的に町を有名にしてくれた『第一人者』。天国で節子さんや志村けんさんと再会してほしい」と悼んだ。菊谷さんの長男で今の飼い主の忠光さん(55)は「とてもショックだが、ゆっくり休んでほしい。わさおと家族でいられたことを誇りに思う」とのコメントを出した。

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1267226 0 社会 2020/06/09 11:15:00 2020/06/09 17:22:21 2020/06/09 17:22:21 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200609-OYT1I50022-T.jpg?type=thumbnail

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