妊婦の梅毒が急増、胎児に感染すると難聴や知的障害の恐れ…「妊娠初期の検査を」

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 日本産婦人科医会は、2022年の1年間に梅毒の感染が分かった妊婦の割合が、前回調査(16年)の約3・3倍だったとする調査結果を公表した。梅毒が流行している影響とみられる。感染した妊婦から胎児にうつると、難聴や知的障害などを持つ赤ちゃんが生まれる恐れがある。医会はこうした「先天梅毒」を防ぐためにも、妊娠初期の検査を呼びかけている。

 国立感染症研究所によると23年に梅毒と診断された患者は1万4906人(速報値)にのぼり、3年連続で過去最多を更新した。

 調査は、出産を扱う全国の医療機関を対象に行い、67%にあたる1346機関が回答した。

 期間中に出産した約45万5700人のうち梅毒に感染していた妊婦は376人だった。前回調査では約30万5700人のうち感染は76人で、割合は3・3倍だった。生まれた赤ちゃんのうち28人が先天梅毒だった。

 妊婦健診では、梅毒の感染を調べる検査がある。感染が分かった場合、抗菌薬の治療を受ける。

 だが、今回の調査では、出産間際に初めて医療機関を受診する「飛び込み出産」などで感染が判明した妊婦が15%で、前回(1%)より増加した。こうした妊婦は健診を受けていないため、治療につながらず、胎児に感染するリスクが高まる。

 調査を行った東邦大の早田英二郎准教授は、「妊婦の梅毒は早期の診断と治療で、胎児への感染を防ぐことが重要だ。心配がある人は、速やかに医師に相談してほしい」と話している。

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5086072 0 医療・健康 2024/02/28 12:29:00 2024/02/28 12:35:31 https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/02/20240228-OYT1I50061-T.jpg?type=thumbnail

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