生前ハチ公新たな写真 貴重な連続2枚 生誕100年渋谷で展示 

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

1934年に渋谷駅で撮られた忠犬ハチ公(片瀬写真館所蔵)
1934年に渋谷駅で撮られた忠犬ハチ公(片瀬写真館所蔵)
1934年に渋谷駅で撮られた忠犬ハチ公(片瀬写真館所蔵)
1934年に渋谷駅で撮られた忠犬ハチ公(片瀬写真館所蔵)
会場には新たに見つかったハチ公の写真2枚を拡大したパネルなどが並ぶ(渋谷区で)
会場には新たに見つかったハチ公の写真2枚を拡大したパネルなどが並ぶ(渋谷区で)

 渋谷駅前の銅像で知られる忠犬「ハチ公」。生誕100周年を迎えた今年、正面と横顔が連続して撮影された珍しい生前の写真が新たに2枚見つかった。2枚の写真を拡大したパネルは、渋谷区郷土博物館・文学館(渋谷区東)で開催中の「ハチ公生誕100年記念展」で10月9日まで展示されている。(松下聖)

 ハチ公は、秋田県大館市で1923年に生まれた雄の秋田犬。東大農学部の上野英三郎教授に飼われ、教授が亡くなった後も渋谷駅に通って待ち続ける姿が人気を集め、34年に渋谷駅前に銅像が建てられた。太平洋戦争に伴う金属供出のため、一度は撤去されたが、48年に2代目の銅像が制作され、現在まで渋谷駅前のシンボルとして親しまれている。

 今回新たに見つかった2枚の写真を撮影したのは、神奈川県藤沢市で「片瀬写真館」を営んでいた熊谷 守美もりよし さん(1922~2007年)。熊谷さんが生前、知人に送った手紙に今回の写真のコピーが同封されていた。その手紙の文中には、写真は34年に渋谷駅で撮影したとの記載があったという。

 ハチ公の調査を進めていく中で手紙の存在を知った郷土博物館は、熊谷さんの長女・美波さんに写真を捜してもらうように依頼。美波さんは、熊谷さんが自宅に残していた大量の写真の中からようやく見つけ、同館が「ハチ公生誕100年記念展」を開催するのに合わせて写真のデータを提供した。

 見つかった写真のハチ公は、胸に式典用のリボンを付け、首にはリードが付けられている。同館の松井圭太学芸員(55)によると、34年3月10日に銅像建設資金を集めるために開かれた演芸会「ハチ公の ゆうべ 」に参加したハチ公にも同様のリボンが付けられていたことから、演芸会の前に撮影された写真の可能性が高いという。

 美波さんによると、熊谷さんは父・治純さんに連れられて幼い時から渋谷に行くことが多く、生前は「ハチ公をよくなでていた」と話していたという。美波さんは「ハチ公や犬が好きな人に見てほしい」と語った。

 松井学芸員は「正面、横顔両方の写真があることで、ハチ公の彫刻や3D作品を制作する際の貴重な資料になる」と評価する。その上で「展示を見てハチ公の正しい歴史を知り、語り継いでほしい」と話している。

 記念展では、2枚の写真パネルのほか、戦前に販売されていたハチ公グッズや資料など約250点が展示され、ハチ公の生涯をたどることができる。また58年に制作され、一般公開されなかった幻の映画『ハチ公物語』の無料上映も行っている。開館時間は午前11時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。問い合わせは同館(03・3486・2791)へ。

東京23区の最新ニュースと話題
スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
記事に関する報告
4541386 0 ニュース 2023/09/15 05:00:00 2023/09/15 05:00:00 2023/09/15 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/09/20230914-OYTNI50078-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)