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「物流2024年問題」の新年度、バス運転手の新人社員「だからこそ志した」…地域貢献に決意

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 新年度が始まった1日、各地で企業の入社式や官公庁の入庁式が行われた。人材不足が慢性的なトラック、バスなどの運送業や建設業に対し、長時間労働を是正する法規制の適用が同日から始まり、物流の停滞や建設工期の遅れが生じる「2024年問題」が懸念される中、新社会人が新たな一歩を踏み出した。

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入社式後にバスの運転席に座る新入社員の諸見里さん(左)ら(1日午前、沖縄県豊見城市で)=秋月正樹撮影
入社式後にバスの運転席に座る新入社員の諸見里さん(左)ら(1日午前、沖縄県豊見城市で)=秋月正樹撮影

 「2024年問題」への対応を見据えてきた琉球バス交通(沖縄県 豊見城とみぐすく 市)とグループ会社は合同入社式を開き、運転手3人を含む計5人の新入社員が出席した。

 沖縄本島全域で路線バスや高速バスを運行する同社は、新規採用者数より退職者数が上回る状況が続いており、通常ダイヤの維持に必要な約550人よりも少ない運転手で稼働している。昨秋から需要の少ない一部路線を減便したが、人手が足りない部分は、各運転手が残業することで対応していたという。

 式では、小川吾吉社長が「わが社は路線を廃止せずに地域に貢献していく。誇りを持って頑張ってほしい」と訓示。式後、新入社員らは駐車場に移動し、バスの前で記念撮影を行った。

 諸見里桂也さん(21)は「2024年問題で運転手不足がさらに深刻になる。だからこそ若い世代の運転手が必要だと思い、志した。高齢者にとって生活の足である路線バスを残していけるよう、職務に当たりたい」と決意を語った。

 トラック運転手から転職した伊礼正吾さん(46)は「バス運転手に興味があり、人手不足というニュースも見て応募した。人を乗せる責任感は大きいが、利用者の生活に役立てるのは大きなやりがいがある」と力を込めた。

 同社は今後、県内外で随時運転手を採用するほか、県外のバス会社と連携し、繁忙期に運転手を応援派遣してもらうなどして対応するという。

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