楳図かずおさんがふるさとの街おこしに「グワシ」と協力…奈良の中学生が出版社通じて相談

　奈良県五條市の中学生たちが、同市で育った漫画家・ 楳図（うめず） かずおさん（８７）に手紙で街おこしへの協力を求めたところ、本人から快諾の返事が届いた。１５日に学校を訪問する楳図さんに作品のキャラクターを生かした街おこしのアイデアを伝える予定で、生徒たちは初対面を前に期待を膨らませている。

　手紙を送ったのは同市立五條東中３年Ａ組の男女８人。地元の文化や歴史について調べるふるさと学習の中で、楳図さんが同市で育った著名な漫画家で、代表作「まことちゃん」のキャラクターを模した地蔵が市中心部にあることを知り、閉店や空き家が目立つ地域の活性化にキャラクターを活用できないかと考えた。

　８人は「大勢の人が楽しめる街にしたい」との思いとともに、キャラクターの使用許可を求める内容を手紙に記し、９月下旬、出版社経由で楳図さんに届けた。約１か月後、楳図さんから「町自体が変身すると面白い。ぜひ実現してほしい！」と記した文書と、左手の中指と小指を折り曲げるまことちゃんのポーズ「グワシ」を決める楳図さんの写真が学校宛てのメールで届いた。

　８人は「まさか返事が来るとは」と喜び、キャラクターをデザインしたご当地マンホールやオブジェ設置などのアイデアを出し合った。１５日、学校を訪れる楳図さんに感謝の気持ちを伝え、街おこし案を説明する。生徒（１４）は「先生のおかげで、今のまま進めればいいんだと自信を持てた。一緒に五條の魅力を発信したい」と意気込んでいる。