秋元才加さん「逃げ場を見つけて、SOS発信して」…STOP自殺 #しんどい君へ

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 学業不振や親子関係の不和などの問題に直面し、昨年、自殺した未成年者は599人。人口10万人当たりの自殺死亡率は「2.8人」で、1978年の統計開始以来最悪となった。若者の自殺が増える傾向にある夏休み明けを前に、悩み、傷つき、苦しんだ著名人たちが、しんどい思いを抱える「君」へメッセージを送る。

15歳で1人で生きる決意、本屋大賞の作家・凪良ゆうさんを絶望から救った「物語」…STOP自殺 #しんどい君へ

#しんどい君へ…(1)女優 秋元才加さん(31)

小学校時代にいじめに遭った体験を語る秋元さん
小学校時代にいじめに遭った体験を語る秋元さん

 AKB48のメンバーとしても活躍した女優の秋元才加さんは、小学校時代からいじめに遭い、自分の意見が言えなくなる経験をした。そんな時、悩みを打ち明けて、向き合ってくれたのは親や学校の先生だった。つらい思いを抱える10代に向けて、秋元さんは、「夢中になれる何かを探して、つらいときはそこに逃げてほしい。どうしていいかわからなくなったらSOSを発信して」とメッセージを送ってくれた。

 日本人の父とフィリピン人の母がいて、母はレストランで働き、父は「専業主夫」。良くも悪くも常識にとらわれない「特殊な家庭」で育ったと思います。 小学生の頃からおしゃれが好きで、厚底の靴にへそ出しの服を着て安室(奈美恵)ちゃんのまねをしていました。生後間もなく開けたピアスの穴も両耳にあり、周囲には「自分とは違う子」と映ったかもしれません。

中学校時代、先生が自分の悩みに向き合ってくれたという
中学校時代、先生が自分の悩みに向き合ってくれたという

 小学4年の頃から、いじめの対象になりました。上履きに画びょうが入っていたり、3階から石を落とされたり。公園の箱ブランコに悪口を書かれたことや、学校の机に「死ね」と彫られたこともあります。「ハーフ」「フィリピン」とはやし立てられ、「どうしてみんなと違うんだろう」と悩みました。休み時間は一人で絵を描いて過ごし、しゃべらなくなった時もあります。 両親からは「人は人、自分は自分。好きな服を着て行きなさい。勉強を頑張ることが将来を変える一歩だから」と励まされました。 その頃からです。芸能人になったらきれいな服を着て、自分の個性も生かせるんじゃないか、自分を好きになれるんじゃないかと考えるようになりました。

 中学校ではバスケットボール部に入部。チームワークが大切な競技なのに、みんなが共感してくれるバロメーターを探してばかりで自分の意見が言えませんでした。仲間とコミュニケーションを取ることがおっくうに感じるようになりました。 一方で、遠征試合にかかる交通費を親に頼めず、部活も休みがちに。顧問の先生に呼び出されて欠席の理由を聞かれました。30分くらいたって、交通費のことを切り出すと、次の試合から先生が車を出してくれるようになりました。 「誰かに相談しても変わらない」と期待しなくなっていたのに、自分に向き合ってくれる人がいると知り、うれしかったです。周囲との接し方も変わっていきました。

「自分の個性も悪くないと思えるようになりました」
「自分の個性も悪くないと思えるようになりました」

 小5の頃から、劇団などのオーディションに少しずつ応募していたのですが、高2で「ラストチャンス」と思ってチャレンジしたのがAKB48です。高3の時に公演デビューしました。 AKBでは、自分はアイドルとして求められるイメージと違うと感じていました。正統派アイドルにはなれない大柄な体つきが嫌でした。でも、人と違う要素があれば、大きなグループにいてもファンの方に顔を覚えてもらえる。自分の個性も悪くないと思えるようになりました。

つらくなったら「SOS」を発信して、そして、「夢中になれるものを見つけよう」
つらくなったら「SOS」を発信して、そして、「夢中になれるものを見つけよう」

 小中学校の頃は自分でフィールドが選べないことが多く、人間関係でつらいことがあると殻に閉じこもりたくなる時があります。趣味でも特技でも夢中になれる何かを見つけると、それが逃げ場になる。好きなものを見つけてほしい。 また、二つの異なるルーツを持つ「ダブル」の子は、「周囲とは違う自分」に悩む時期があります。二つの文化を暮らしの中から学ぶことで、広い視野を持てるようになるのがダブルの強みです。それを自信にしてほしいと願っています。 もし、苦手だなと感じる人がいたら、好きになろうと頑張らなくて大丈夫。全員と仲良くしようと思うと、自分が出せずにつらくなっちゃうから。 LINEなどSNSが身近になり、誰かをのけ者にしたり、悪者にしたりしやすくなったと思います。10代の頃は相手の言葉や態度に、一喜一憂してしまいがちです。どうしていいかわからなくなったら、SOSを発信してください。匿名性を生かして、SNSや電話の相談先を活用するのも一つだと思います。

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750837 0 インタビュー 2019/08/20 05:01:00 2020/08/05 16:11:20 2020/08/05 16:11:20 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190819-OYT1I50075-T.jpg?type=thumbnail

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