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新型コロナウイルスの影響で実戦経験が乏しい中で開催された、17日の箱根駅伝予選会。これまでに箱根路を2度制した神奈川大・大後栄治監督でも、「本当に不安で、1週間前から、なかなか眠れなかった」という。しかし、チームの「試合巧者」ぶりは健在だった。危なげなく4位で通過し、11年連続52回目の本大会出場を決めた。(佐藤雄一)
作戦的中「1時間3分くらい」でタイムまとめる
終始、上位でレースを運んだ。「1時間3分くらいを目指してグループを作る」作戦が見事にはまった。
チーム個人最高は17位の呑村大樹(3年)で、タイムは1時間2分06秒だ。チーム成績を引っ張り上げるような、飛び抜けた走りをする選手は出なかった。だが、チームの10番目でゴールした選手のタイムは1時間3分27秒。わずか1分21秒間に、チームの上位10選手がゴールへ駆け込んでいる。作戦通り、誰も足を引っ張ることなくタイムをまとめた。
チームの先頭を走る役割を任された呑村は「後ろを見る余裕はなかったが、来ていると感じながら走れた。全員が自分の走りをできた」と振り返った。
1年生が好走 「変わり目」から「飛躍」の年
「まさか初のハーフマラソンで上級生を抑えるとは」と大後監督を驚かせたのが、高橋銀河、宇津野篤、佐々木亮輔の1年生トリオだ。チーム3、4、5位のタイムをマークし、記録をしっかりと底上げした。指揮官が「経験を積ませて大事に育てたい」と期待を寄せるルーキーたちにとっても、予選会は上々のデビュー戦となった。
今年1月の箱根では総合16位と、前評判通りの成績を残せなかった。しかも、エース格だった荻野太成(旭化成)、越川堅太(日立物流)らが卒業し、チームは今季を「変わり目の年」(大後監督)と位置づけている。
そんなエース不在のシーズンの予選会で、改めてチームの地力を証明してみせた。1年生の活躍も、上級生の発奮材料となったはずだ。本大会の目標は、4年ぶりのシード権獲得。変わり目だったはずの年を「飛躍の年」にできるか。