日本人の「海離れ」が止まらない理由

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葛西臨海公園で海水浴

筆者とゼミ生の設計によるアルミ製の海の家(2006年、神奈川県鎌倉市で)
筆者とゼミ生の設計によるアルミ製の海の家(2006年、神奈川県鎌倉市で)

 しかし明るい兆しもある。海水浴場の復活に向けた新たな取り組みが始まっている。葛西臨海公園(東京都江戸川区)の人工干潟「西なぎさ」では、NPO法人「ふるさと東京を考える実行委員会」がカキを用いた海水浄化を行い、12年当初は「水に顔をつけない」「腰までの深さで遊ぶ」の条件付きながらも、8月の土・日曜限定で海水浴ができるようになった。東京都が2015年に海水浴場開設基準を満たしていると判断、海に入る際の条件も解除され、東京湾で50年ぶりに海水浴場としての海開きが行われた。

安くて安全な「日本の水」は守られるのか

 新潟県佐渡市達者では、私やゼミ学生、地域おこし協力隊員らが海水浴場を復活させる取り組みを進めている。海の日の7月16日には、地元の竹林から切り出した竹を使った海の家や日除けをつくる予定だ。

 神奈川県内の海水浴場では、一色海水浴場(葉山町)が17年に「世界のビーチ100選」に選出された。由比ガ浜海水浴場(鎌倉市)は、海水浴客へのサービスと質を体系的に評価する国際環境認証としてのブルーフラッグ認証を取得した。

 このように、環境整備や海水浴客の居心地向上に積極的に取り組むことで、高い評価を得る海水浴場もあり、海水浴場ごとの個性を重んじる気風も育まれてきた。

 これまでと違ったサービスや空間に一工夫凝らした海の家が現れ、海水浴客を呼び戻すのに一役買っている。カフェ風のおしゃれなスタイルやアジア調、南国のビーチ風と新感覚の海の家が次々に登場し、海水浴客以外も呼び込んでいる。

 最近の海の家の傾向は、「グラマラス化」や「グランピング(グラマラス+キャンピング)」にある。ホテルのようなサービスをアウトドアで楽しめるのがウリだ。海辺に立つ大型テントをグループやカップルが占有し、上質なサービスが受けられる。

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35739 0 深読み 2018/07/07 05:20:00 2018/07/07 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180705-OYT8I50010-T.jpg?type=thumbnail

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