2020年日本の10大ニュース

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集計結果一覧(トップ10)

(文中の写真と日付は現地時間。肩書は当時)

2020年海外の10大ニュース

【1位】感染拡大 緊急事態宣言

通行人らに外出自粛を呼びかける電光掲示板(4月21日)
通行人らに外出自粛を呼びかける電光掲示板(4月21日)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は4月7日、緊急事態宣言を発令した。当初は東京都など7都府県が対象だったが、16日に全国に拡大した。都道府県は市民に外出自粛を呼びかけ、遊興施設や商業施設など幅広い業種に休業を要請。繁華街や駅から人の姿がめっきり減った。

 街ではマスクやアルコール消毒液などの品薄が続き、買い占めや高額転売が相次いだ。病院では、入院病床や医療物資の不足が問題となった。緊急事態宣言は5月下旬に全面解除されたがその後も混乱は続いた。

 社会的距離の確保やマスク着用などの「新しい生活様式」が浸透し、自宅などで勤務するテレワークをはじめ、感染リスクが高まるとされる「3密」を回避する動きが広まった。その一方で、外出する人や営業を続ける店を厳しく非難する「自粛警察」と呼ばれる現象も起きた。

 政府は、一律10万円の給付や、企業に支給する「雇用調整助成金」の拡充などを盛り込んだ緊急経済対策を実施。7月には、苦境に陥った観光業界を支援する「Go To トラベル」事業も始まった。

 だが、8月と11月には感染が再拡大。12月には1日の新規感染者数が過去最多の水準となり、「Go To トラベル」事業も年末年始の全国一斉停止に追い込まれた。国内の感染者は12月18日午前0時現在で、累計19万人、死者は2700人を超えた。

【2位】東京五輪・パラ 1年延期

延期で一時撤去されたものの、再設置され夜間点灯が始まった五輪のシンボルマーク(12月1日、東京都港区で)
延期で一時撤去されたものの、再設置され夜間点灯が始まった五輪のシンボルマーク(12月1日、東京都港区で)

 新型コロナの猛威は今夏に行われるはずだった東京五輪・パラリンピックを直撃し、1年の延期が決まった。五輪の開会式は来年7月23日となった。閉幕は8月8日。パラリンピックは8月24日から9月5日まで行われる。

 延期を受け、組織委員会は会場確保に奔走。夏頃には、今年開催の前提で選ばれた会場はすべて、来年も使える見通しになった。秋には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が来日して菅首相と会談し、観客を入れた形で開催を目指す考えを確認した。

 大会延期にともなって代表辞退や競技引退を決めた選手も現れたが、来夏に向けて選手たちの動きも加速している。ソフトボール女子日本代表は活動を再開し、代表候補選手の絞り込みを進める。柔道は男女個人戦計14階級の代表が出そろった。

 延期に伴って撤去されていた「お台場海浜公園」(東京都港区)の巨大な五輪のシンボルマークも再設置され、夜間点灯が始まった。

【3位】菅首相誕生 新内閣発足

就任後、初の記者会見をする菅首相(9月16日)
就任後、初の記者会見をする菅首相(9月16日)

 自民党の菅義偉総裁が9月16日、第99代の首相に就任した。連続在職が7年8か月余と歴代最長に及んだ安倍首相の後を引き継いだ。

 菅氏は2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、一貫して官房長官として政権を支えた。安倍氏の辞任表明を受けた自民党総裁選で岸田文雄、石破茂両氏を破って総裁の座に就いた。

 秋田の農村出身の「たたき上げ」や「令和おじさん」などのイメージから、発足直後の内閣支持率は読売新聞社の全国世論調査で歴代3位の74%を記録した。

 菅氏はデジタル庁創設や不妊治療の保険適用などを目玉政策に掲げ、就任直後から矢継ぎ早に実現を指示した。肝いりの携帯電話料金引き下げは業界側に呼応する動きが広がる。

 一方で、日本学術会議の新会員任命拒否には疑問の声が上がった。新型コロナの感染者が急増した12月には、観光支援策「Go To トラベル」事業の年末年始の全国一斉停止に踏み込んだが、対応が後手だとの批判も出た。

 衆院議員任期満了は来年10月で、衆院解散・総選挙の時期が今後の焦点となる。

【4位】安倍首相 辞任表明

記者会見で辞意を表明する安倍首相(8月28日)
記者会見で辞意を表明する安倍首相(8月28日)

 安倍首相が8月28日、持病の潰瘍性大腸炎の悪化を理由に辞任する意向を表明した。第1次内閣の2007年9月に退陣した際も同じ持病の悪化が原因だった。

 在職日数は、2012年12月の第2次内閣発足から連続で7年8か月余(2822日)、第1次内閣を含めた通算では3188日で、いずれも歴代1位を記録。歴史的な長期政権を築いた。

 安倍氏は、12年9月の自民党総裁選で総裁に返り咲き、同12月の衆院選で大勝して政権を奪還し、第2次内閣が発足した。経済政策「アベノミクス」を推進し、消費税率を8%、10%と2度にわたって引き上げた。外交・安全保障では、集団的自衛権の限定行使を認める安全保障法制を整備。トランプ米大統領と親密な関係を築くなど、国際社会で日本の存在感を高めた。

 一方で、新型コロナ対応のまずさが批判されたほか、森友・加計学園を巡る問題など長期政権のほころびも目立った。辞任後の今年11月には、首相在任中の桜を見る会の前夜祭を巡り、政治資金規正法違反の疑いが浮上した。

【5位】志村けんさんら死去

志村けんさん(2018年2月)
志村けんさん(2018年2月)

 お茶の間に笑いを届け、「コント王」として幅広く愛されたコメディアンの志村けんさんが3月29日、70歳で死去した。新型コロナ感染が判明してからわずか6日後の悲報で、社会に大きな衝撃が走った。

 ザ・ドリフターズのメンバーとして、「8時だョ!全員集合」や「志村けんのだいじょうぶだぁ」などのバラエティー番組で活躍。「変なおじさん」や「バカ殿」など多くの名物キャラクターを生み出した。志村さんの死を惜しんで、テレビ各局が追悼番組を相次いで放映した。

 コロナ禍では、4月23日に朝の情報番組の司会などで親しまれた女優の岡江久美子さんも63歳で死去。外交評論家の岡本行夫さんやファッションデザイナーの高田賢三さんらも犠牲になった。

【6位】「鬼滅」最速100億円

 10月16日に公開されたアニメ映画「劇場版『鬼滅きめつやいば』無限列車編」の累計興行収入が、日本で上映された映画としては歴代最速の10日間で100億円を突破した。

 興行収入は12月13日までに300億円を突破。国内興行収入ランキングで歴代1位の「千と千尋の神隠し」(2001年公開、約316億8000万円)を抜くのは確実とみられる。吾峠呼世晴ごとうげこよはるさんの原作漫画は12月4日に最終巻が発売され、初版部数395万部の大ヒットとなった。

【7位】全小中高 休校要請

 新型コロナの感染拡大防止のため、政府は2月28日、全国の小中学校や高校などを3月2日から春休みまで一斉休校とするよう要請した。その後の緊急事態宣言の発令もあって、休校は長いところで3か月に及んだ。

 各学校は再開後、分散登校など手探りで感染対策を進め、修学旅行や運動会も相次いで中止になった。多くの大学では4月の授業開始を5月以降に延期。オンラインで授業が行われた。

【8位】甲子園 春夏中止

夏の甲子園中止決定の知らせに、涙を流す野球部員(5月20日、佐賀市で)
夏の甲子園中止決定の知らせに、涙を流す野球部員(5月20日、佐賀市で)

 新型コロナ感染拡大の影響で、春の選抜高校野球大会と夏の全国高校野球選手権大会が中止となった。同一年の両大会中止は史上初。8月には、選抜出場予定だった各校1試合ずつの交流試合が行われた。夏の全国高校総体も中止された。

 プロスポーツ界でも中止や延期が相次いだ。プロ野球は3か月遅れの6月に開幕したが、当初は無観客で行われた。サッカー・Jリーグも一時中断した。

【9位】藤井聡太七段 最年少タイトル

王位杯を授与され、笑顔を見せる藤井聡太二冠(11月12日、東京都千代田区で)
王位杯を授与され、笑顔を見せる藤井聡太二冠(11月12日、東京都千代田区で)

 棋聖戦五番勝負で7月16日、藤井聡太七段が、渡辺明三冠に勝利し、タイトルを奪取した。17歳11か月での戴冠たいかんは最年少記録となる。18歳1か月となった8月に王位も獲得し、史上初の「10代二冠」を達成。羽生善治九段のもつ最年少二冠の記録(21歳11か月)を大幅に塗り替え、同時に八段昇段の最年少記録も樹立した。

【10位】九州豪雨 死者77人

 梅雨前線が停滞した影響で7月4日、九州を中心に記録的な豪雨が発生した。河川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、九州5県で77人が死亡し、2人が行方不明となった。4日午前10時までの24時間雨量は熊本県球磨くま村で455.5ミリに上った。

【番外】はやぶさ2 カプセル帰還

 日本の小惑星探査機「はやぶさ2」から分離されたカプセルが12月6日、豪州の砂漠に着地した。地球と小惑星リュウグウの間を6年で約52億キロ・メートル飛行する探査ミッションをほとんどノーミスで達成。日本の宇宙探査の技術力を世界に知らしめた。カプセル内には小惑星から採取された石や砂が確認された。

1~30位ニュース一覧

(数字は得票数。カッコ内は有効投票に占める割合)

《1》新型コロナ感染拡大、緊急事態宣言発令 15,201(88.8%)

《2》東京五輪・パラリンピックが延期に 14,214(83.0%)

《3》菅首相誕生、新内閣が発足 13,096(76.5%)

《4》安倍首相、持病悪化を理由に辞任表明 12,599(73.6%)

《5》志村けんさんが新型コロナで死去。著名人の死去相次ぐ 12,475(72.9%)

《6》アニメ映画「鬼滅の刃」、国内最速で興行収入100億円突破 12,115(70.8%)

《7》新型コロナで政府が全国小中高の休校要請 11,844(69.2%)

《8》高校野球が春夏中止。プロスポーツ界でも延期や中止相次ぐ 9,633(56.3%)

《9》将棋の藤井聡太七段が最年少タイトル 9,318(54.4%)

《10》九州豪雨、死者77人 7,564(44.2%)

《11》レジ袋有料化スタート 6,906(40.3%)

《12》京アニ放火殺人事件で男を逮捕 3,041(17.8%)

《13》「あおり運転罪」創設 2,849(16.6%)

《14》テニス・大坂なおみが全米オープン優勝 2,567(15.0%)

《15》不法出国容疑でゴーン被告に逮捕状 2,537(14.8%)

《16》スパコン計算速度で「富岳」が世界一 2,484(14.5%)

《17》立皇嗣の礼 2,247(13.1%)

《18》河井克行前法相・案里議員逮捕 2,026(11.8%)

《19》GDP年率換算27.8%減、戦後最大の下落 1,837(10.7%)

《20》ソフトバンク4年連続日本一 1,792(10.5%)

《21》スマホ5G時代本格化、アップルなど各社が対応機種発売 1,767(10.3%)

《22》大阪都構想、住民投票で反対多数 1,727(10.1%)

《23》菅首相、学術会議候補6人の任命拒否 1,452(8.5%)

《24》野口聡一さん搭乗の米民間宇宙船打ち上げ成功1,268(7.4%)

《25》台風10号、九州で豪雨被害 1,219(7.1%)

《26》東京都知事選で小池百合子氏が再選 1,145(6.7%)

《27》山手線49年ぶり新駅「高輪ゲートウェイ駅」開業 1,126(6.6%)

《27》としまえん閉園 1,126(6.6%)

《29》横田めぐみさんの父・滋さん死去 1,034(6.0%)

《30》東証システム障害で売買終日停止 934(5.5%)

過去5年トップ3

■2019年

〈1〉天皇陛下が即位。「令和」に改元

〈2〉ラグビーW杯日本大会開幕、日本8強

〈3〉京都アニメーション放火、36人死亡

■2018年

〈1〉平昌五輪で日本は冬季最多13メダル。フィギュア・羽生結弦は連覇

〈2〉西日本豪雨、死者220人超

〈3〉日大アメフト部選手が危険タックル。スポーツ界で不祥事相次ぐ

■2017年

〈1〉14歳棋士、藤井四段が29連勝の新記録

〈2〉天皇退位特例法が成立。19年4月末退位、5月改元へ

〈3〉横綱日馬富士が暴行問題で引退

■2016年

〈1〉熊本地震、死者50人

〈2〉東京都知事に小池百合子氏。築地市場の豊洲移転延期、五輪施設計画見直し

〈3〉リオ五輪、史上最多のメダル41個

■2015年

〈1〉ノーベル賞に大村、梶田両氏

〈2〉ラグビーW杯、日本は3勝の歴史的快挙

〈3〉「イスラム国」が日本人2人を拘束、殺害映像を公開

全て的中286通

 2020年の「日本10大ニュース」には11月28日~12月15日の募集期間に1万7536通の応募があり、うち有効は1万7120通でした。全項目的中は286通で、抽選で44人に賞金(高校生以下は図書カード)を贈ります。残る全項目的中者の中から抽選した100人に記念品を贈ります。

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1712154 0 読者が選ぶ10大ニュース 2020/12/19 05:20:00 2020/12/25 16:13:55 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201218-OYT8I50130-T.jpg?type=thumbnail

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