「ちょっと酸っぱく微妙な組み合わせ」…遺恨残した山形知事選、参院選を前に「手打ち」
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通常国会が閉会し、参院選に向け、慌ただしさの増す首相官邸。16日最初の岸田首相の来客は、名産のサクランボを携えた山形県の吉村美栄子知事だった。
吉村氏の来訪は、一緒に訪れた自民党山形県連会長を務める遠藤利明選挙対策委員長が参院選山形選挙区のテコ入れのために仕込んだとされる。
吉村氏は、昨年1月の県知事選で野党県組織の自主的な支援を得て、自民推薦の前県議、大内理加氏に圧勝した。自民との遺恨がささやかれる中、大内氏は今回、山形選挙区から出馬することになり、遠藤氏は首相との面会の場で吉村氏との「手打ち」を演出した。
「同じ方向を向いて、山形発展のためにしっかりやっていきましょう」
首相からこう声をかけられた吉村氏は「私としてもそれが一番大事で、そのようにお願いしたい」と応じた。自民のベテラン県議は「知事が歩み寄ってくれた」と目を細めた。
山形選挙区を巡り、自民は当初、今年度予算に賛成した国民民主党の現職、舟山康江筆頭副代表に配慮し、候補擁立見送りを検討した。厚い支持基盤を持つ舟山氏を相手に苦戦が予想され、自民関係者は吉村氏の動向を注視する。吉村氏は18日の自民県連大会で首相と同席する見通しだ。
自民は参院選後も、国民との間で、政策や国会運営などで協力の前進を狙う。
「甘くて、ちょっと酸っぱく、微妙な組み合わせがいい」
首相はサクランボを味わうと、こう感想を漏らした。自・国の連携は今後、うまく結実するか。山形の勝負の行方も影響を与えそうだ。