「筆談ホステス」区議トップ当選…身ぶりで訴え
26日投票の統一地方選後半戦は、27日朝から東京都内の6区で開票が行われた。
今回の選挙では、聴覚障害を抱えながら、「筆談ホステス」として知られた斉藤里恵さん(31)が都北区議選で、
トップ当選が確実となった27日午前2時過ぎ、斉藤さんは支援者らに笑顔を見せ、「ありがとう」と手話で伝えた。取材には筆談用の電子ボードで応じ、「まだ信じられません」と心境をつづった。
1歳の時、髄膜炎の後遺症で聴力を失った。うまくしゃべることはできないが、23歳の時に東京・銀座の高級クラブで働き始め、筆談による接客が人気になった。今はホステスを辞め、筆談での講演活動の傍ら、シングルマザーとして4歳の娘を育てる。
出馬を決めたのは昨年冬。東京五輪・パラリンピックの開催決定に、「障害者が活躍できる世の中にしたい」との思いを強くした。
選挙戦では、街頭で名刺を配ったり、身ぶり手ぶりで思いを伝えたりすることに徹した。
ハンデを背負い、議員活動ができるのか不安視する声もある。斉藤さんは、議会ではパソコンの音声読み上げソフトを活用し、政策発信にはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用すれば、対応できると考えている。
「少数派の声を代弁し、バリアフリー社会を実現したい」。斉藤さんは意気込みを、そう記した。
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明石市議選で当選した家根谷さんは26日夜、支援者らに「障害者の思いを施策に反映させたい」と手話で決意表明した。
生まれつき両耳が聞こえず、声も出せない。20年前の阪神大震災で被災し、避難所で救援物資などの情報が十分得られなかった経験から、手話講師として通訳者の育成に力を入れてきた。
街頭演説では、家根谷さんが手話で「大災害に備え、福祉避難所の充実を求めたい」などと訴え、家族らが声に出してアピールした。市議会事務局は手話通訳者の準備を検討するという。
全日本ろうあ連盟によると、聴覚障害者の議員第1号は、01年の長野県白馬村議選で当選し、1期務めた桜井
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投票翌日の開票となった都内6区のうち、江東、大田、江戸川の3区長選では、いずれも自民、公明の推薦を受けた現職が、大差で新人候補を退けた。