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日経平均株価が17日、1年8か月ぶりに3万円台を回復した。好調な企業業績や株主還元の充実で、日本株は海外投資家の人気を集めている。米欧で景気後退のリスクがくすぶる中、バブル崩壊後の最高値(3万670円)まで上昇を続けるか、市場の関心が高まっている。
米国の主要株価指数であるダウ平均株価(30種)が、金融システム不安などを背景に下落基調となる一方、日経平均は5営業日連続で値上がりした。17日は午前に発表された2023年1~3月期の実質国内総生産(GDP)速報値で個人消費の堅調さが示され、「投資家に安心感を与えた」(野村証券の神谷和男氏)ことで大台に乗せた。
日経平均を構成する225銘柄の中でも、昨年末から50%以上上昇した株もある。大和証券の調べによると、神戸製鋼所は約74%、ルネサスエレクトロニクスが約73%上昇した。景気動向に敏感な半導体関連株の値上がりが目立つ。大幅な株主還元策を発表した大日本印刷も急上昇している。
日本株人気を支えるのが、「投資の神様」として知られる米国の投資家ウォーレン・バフェット氏だ。4月に来日し、三菱商事など大手商社の株を買い増したことを明らかにすると、海外投資家の日本株買いが加速した。
もっとも、株価の先行きは、海外景気に左右されそうだ。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は、「投資家に株主還元策などをさらにアピールできれば、日経平均はバブル崩壊後の最高値も狙える」とする一方、「海外景気が不透明になり、株高を支える海外投資家が買いを止めれば、日経平均は下落に転じる」とみている。