楽天「0円」廃止、乗り換え争奪戦…ソフトバンクとKDDIが次々とキャンペーン

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「月額0円」廃止を発表した楽天モバイルの三木谷会長(13日)
「月額0円」廃止を発表した楽天モバイルの三木谷会長(13日)

 「月額0円」の廃止を打ち出した楽天モバイルの利用者に乗り換えてもらおうと、競合他社が攻勢を強め始めた。ソフトバンクとKDDIが20日、乗り換えを促すためのキャンペーンなどを次々と発表した。迎え撃つ楽天は利用者の一部流出は想定内としながらも、ポイントサービスの強化などでつなぎとめようとしている。

 ソフトバンクは20日、月間データ容量が3ギガ・バイト(GB)で税込み990円としている「LINEMO(ラインモ)」のミニプランについて、新規、乗り換えで契約した場合は基本料金を6か月間、実質無料とした。スマートフォン決済「ペイペイ」で使えるポイントを990円分付与する。

 ソフトバンクによると、楽天が13日に月1GBまでを0円とするプランの廃止を発表した後、14、15日は他社からラインモへ乗り換える申込数が前月同期比で2倍以上に増えたという。

 特にミニプランは2・6倍以上に伸びており、データ利用量の少ない楽天契約者が流入している。利用者の関心が高い「実質無料」を打ち出すことで、契約者数の拡大を進める考えだ。

 KDDIも20日、割安プラン「povo(ポヴォ)」で利用できるスマートフォンに、楽天が販売する独自端末2機種を追加すると発表した。楽天の利用者から問い合わせが相次いだことを受け、自社の割安プランへ乗り換えを促すのが狙いだ。

 楽天は「月額0円」廃止で実質値上げし、3GBまでを1078円とする新プランを7月に導入する。これまで割安感を武器にしてきたが、新プランでは競合他社に対する料金の優位性が薄れる。整備を進める通信エリアは他社よりやや劣る面があり、「料金が同水準であれば利用者はつながりやすい会社を選ぶ」(業界関係者)と指摘される。

 楽天は新プランへの切り替え後も、10月末までは1GBまで実質無料とするキャンペーンや、グループの共通ポイント「楽天ポイント」の還元強化などで利用者のつなぎとめを図る。

 楽天モバイルを傘下に持つ楽天グループの携帯事業は、営業利益の赤字が続いている。SBI証券の森行真司シニアアナリストは「今後は費用ばかりがかかっていた『0円』の利用者がいなくなる。楽天にとってはプラスの方が大きい」と指摘する。

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3017444 0 経済 2022/05/21 05:00:00 2022/05/21 09:21:32 2022/05/21 09:21:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220521-OYT1I50035-T.jpg?type=thumbnail

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