完了しました
「モダンでシャープで未来的で、その線には心を
書籍や雑誌を飾った表紙974点を集めたのが本書。名コンビとして知られる星新一や筒井作品、ハヤカワ・ミステリ文庫のアガサ・クリスティー作品や創元推理文庫のエラリー・クイーンの国名シリーズなどなど……。抜群のセンスで作中のモチーフを視覚化した絵に魅せられ、読書の森に迷い込んだ少年少女時代を思い出す方も多かろう。
洋画家として出発した真鍋は、多くの人々の目に触れ社会とつながる印刷技術に新たな芸術の可能性を見いだした。自身の夢や創造力を拡大した絵で未来をたぐりよせようと、科学と自然と人間が共生する風景を描き続けた。装丁の替わってしまったSFやミステリーだけでなく、詩集、教科書など埋もれていた多彩な仕事に触れられる。その多くが、未来的なのに懐かしい。(佐)