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女優・広末涼子さん(41)は、芸能活動で多忙を極めた高校時代、「今どこにいて、次はどの現場に向かうか知らない状態」でカメラの前に立つ日が続いた。“パンク”しそうになる心を救ってくれたのは、哲学との出会いだったという。(読売中高生新聞)
インタビュー取材で、同じエピソードばかり
「もともとテレビを見るのが大好きで14歳のときに芸能の世界に飛び込んで、お芝居を始めてから映画も大好きになったのに、忙しくなると、ほとんど見られなくなりました。
まだ高校生なのに、アウトプットに偏り、インプットできていない感覚がつきまといました。インタビュー取材を受けることも多いのに、自分の知識が少ないこと、言葉が幼稚なこと、話の引き出しがなくて同じエピソードを繰り返し話していることにも、不安を覚えていました。
そんな気持ちから、高校2年生の頃、自然と哲学書に手が伸びました。『ソフィーの世界』を入門書のように読み進めた覚えがあります」
「いつも笑顔で元気な優等生」のイメージで広く愛された高校時代の広末さん。人知れず抱えていた悩みに、哲学はどう効いたのか。
「哲学者たちの言葉に触れると、自分の中にある疑問やうまく言語化できない思いに対して“答え”をくれるような、ちょっとホッとできる感覚をもらうことができました。
朝早くの自習室で勉強に疲れたときなどに、お芝居の台本や物語のように感情が入ってしまうものではなく、『冷静に読める文章』として哲学書を読むようになりました。
高校でも大学でも、バッグには必ず、台本や資料と一緒に哲学書が1冊入っていました」
文字を見るだけで眠くなって
とはいえ、哲学書は難解な言葉が並び、読み進めるのはやはり大変だ。広末さん自身も、高1秋に受けたインタビューで、「読書は仕事を始めるまで全然していなかった。文字を見るだけで眠くなっちゃって、読書感想文の宿題も、前書きと後書きだけ読んで書いていた」と告白している。
「そうでしたね(笑)。私は高校時代から、線を引きながら本を読むようになりました。試験勉強でもそうやっていました。完璧に理解できなくても、好きだと思った言葉、カッコいいと感じた文章に蛍光ペンを引くだけでもいいんです。