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15日から恒例落語会
今年も春風亭一之輔にとって「奮闘の秋」がやってきた。東京・よみうり大手町ホールで恒例の落語会を開く。「落語一之輔三昼夜 ~再び~」(15~17日、計6公演)は、昼の部に日替わりゲストを招く。(文化部 森重達裕)
「秋になってくると、気が重い。また今年も来たなあ、と」と苦笑する。
読売新聞社などが主催する落語会で、発端は2014年秋の独演会「落語一之輔 一夜」だった。以来、「二夜」「三夜」「四夜」「五夜」「七夜」と毎年数字が増えていき、昨年(20年)と今年は「三昼夜」になった。初演のネタを口演するので、「やる前は
寄席に呼ばれれば1日2軒の掛け持ちは当たり前で、独演会で全国を飛び回る落語界トップクラスの売れっ子だ。稽古は移動時間にブツブツと、歩いている間も、声にならない声でやっている。「飛行機、新幹線の中はもちろん、なるべく歩くようにしている。鈴本演芸場(上野)から国立演芸場(半蔵門)だったら歩く。末広亭(新宿)から国立とか、浅草演芸ホールから鈴本とか」
昨年来のコロナ禍で外食の機会もなくなり、「ウォーキング&稽古ダイエット」の結果、10キロの減量に成功したという。1年以上、スリムな体形をキープする。「もう家で酒を飲むぐらいしか楽しみがない。すごく健康的です」
「色物さん」から芸歴80年の三遊亭金翁まで登場
昼の部の初日(15日午後1時)は「僕の好きな色物さん2021」と題し、紙切りの林家正楽、曲芸のボンボンブラザース、奇術の伊藤夢葉、音曲の桂小すみの4組をゲストに招く。「ホール落語しか知らない人にもぜひ見てほしい。寄席の流れをサポートしてくれて、トリにとって邪魔にならない芸をしてくれる。でも、それだけじゃない『芸の力』を持っている」
2日目(16日同)のゲストは三笑亭夢丸。「(所属する)協会は違いますが、ほぼ同期の友達です。昔のプロレスラーや野球選手の話とか、テレビの話とかをしながら、ずっと2人で飲んでいられる。落語に関しても『同志』だと思っています。楽屋も楽しいし、高座も楽しい」
3日目(17日同)は芸歴80年、御年92歳の三遊亭金翁を招く。トークコーナーもあり、「金馬から名前が変わって肩の荷が下りたのかとか、うちの大師匠(先代春風亭柳朝)と仲が良かったので、昔の話を色々聞いてみたい」と楽しみにする。
絶え間なく寄席に出ているだけに、明るい兆しを肌で感じ取っている。「寄席も案外しぶといですよ。何となくコロナと折り合いをつけて(新真打ちの)お披露目もやっていますし、だんだん、ゆっくりと、元の感じに戻るんじゃないかな」
夜の部は3日間とも完売。(電)0570・00・3337。