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テレビ朝日系の人気ドラマ「緊急取調室」の第4シーズンが、8日午後9時からスタートする。初回のゲストとして桃井かおりが登場し、伝説の活動家を演じる。桃井は「50年という時を止めて生きてきた女性の、時間の重さを意識した」と語る。(川床弥生)
「緊急取調室」は、取調官・真壁有希子(天海祐希)率いる「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」が、取調室で、凶悪犯たちと心理戦を繰り広げる人気シリーズだ。「米国に移住してからも唯一見ていたドラマで、会話が面白くてテーマが深い」。脚本の井上由美子から誘われ、出演を決めたという。
今回、桃井が演じるのは、50年以上、地下に潜伏していた活動家・大國塔子。真壁が乗った飛行機で、ハイジャック事件を起こす。桃井は、子供の頃に聞いて印象が強かった活動家の演説を思い出しながら演じたという。
現在は米ロサンゼルスを拠点に活動しており、1年4か月ぶりに日本に戻った。米国では新型コロナウイルスの影響で「街中ロックダウンされて、外に出たのも買い物の3回だけ。人とまったく会わなかった」という。だが、その経験が役に生きた。「世間と隔離された状況の中で、自分の体から出てきたものを、そのまま塔子の中に持っていった」
自身の50年を振り返り、「俳優なんて、どのタイミングで死ぬかしか考えてないから」と話す。「松田優作に先を越されちゃった。私はタイミングを逸して、生き延びてしまった。こうなったら長生きするっきゃないかって」
ドラマは第4シーズンで、すでに出来上がっている現場の雰囲気になじめるか不安だったというが、
コロナ禍によって、エンターテインメント界は大きな打撃を受けた。しかし、桃井は「人数を減らして、どうやったら映画を撮っていけるのか。次に撮る映画は、カメラとか、照明とか、(現場の様子を)全部映しちゃおうと思ってるわけ」と、この状況を逆手に取った次作の構想を明かす。「大きい人と小さい人をキャスティングして、撮影距離を変えて同じ背丈にすることもできるわね」。次々とアイデアを出しながら、「手はあるはずよ、絶対」。力強く語った。