岩崎宏美のデビュー前、筒美京平が助言した「本当の良さ」は…高音ではなかった

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 歌手の岩崎宏美がデビュー45周年を迎え、「LIVE BEST SELECTION 2012―2020 太陽が笑ってる」(テイチク)を出した。「今、私が伝えたい歌を2枚に集約した」と話す。

 「思秋期」「聖母たちのララバイ」などの代表曲や、さだまさしから提供された「残したい花について」など近年の秀作を収録。コロナによる自粛期間を経て、今年8月、半年ぶりに開いたライブで披露した最新の歌声も収録している。

 筒美京平が作曲した「ロマンス」は、二つのライブの模様を収めた。ジャズピアニスト、国府弘子による伴奏はキャロル・キング「アイ・フィール・ジ・アース・ムーヴ」のイントロを引用し遊び心があふれる。「歌い出しが似ていることに初めて気付いた」

歌手デビュー45周年の岩崎宏美さん
歌手デビュー45周年の岩崎宏美さん

 筒美はデビュー曲以来、約80曲を書いてくれた“育ての親”。今年10月の悲報は外出先で知り、とめどなく涙があふれて立ち尽くしてしまったという。「デビューを前に『みんなはあなたの高音を褒めるかもしれないけれど、本当の良さは中低音にある。それを忘れないで』と助言してくれた」と振り返る。昨年、筒美の名曲カバー集を発表すると、筒美は「友人にも聴かせたい」と大喜びして20枚も買ってくれたという。

 もう一人、恩人が昨年末、60歳で世を去った。2007年発表の「シアワセノカケラ」を作詞作曲した池間史規だ。「もう疲れたのですか?」という歌い出しで絶望に寄り添い、岩崎を元気にしてくれた。その池間が、岩崎の45周年のために作っていた曲「太陽が笑ってる」を今作、唯一の新曲としてレコーディング。「完成盤を聴いて、あまりに歌があったかくて泣いちゃった。自分の歌なのに」と苦笑する。

 16歳でデビュー。「この年まで歌うなんて想像がつかなかった」と話す。40代の時、体調不良から引退を考えたが、シャンソン歌手、石井好子が80歳で開いた公演に勇気付けられたという。「自分が恥ずかしくなるような迫力だった」。コロナ禍で余儀なくされた自粛期間は「私は本当に歌が好き、まだ歌いたいという気持ちを再認識する機会になった」。いくつもの曲折を経ながら、強くしなやかに、歌に向き合う。

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1697618 0 エンタメ・文化 2020/12/13 09:11:00 2020/12/13 11:52:02 2020/12/13 11:52:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201205-OYT1I50056-T.jpg?type=thumbnail

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