《日本史リブレット》045.武家奉公人と労働社会

価格
880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 近世社会を支配した武士たち。その身辺に付き従った武家奉公人は,単純な肉体労働に従事して日々の糧をえる「日用」層であった。武士がどのような形で彼らを必要とし,どのような手段で確保していたかを手がかりに,近世都市の労働者社会の実態に迫る。
ISBN:
978-4-634-54450-5
シリーズ: 日本史リブレット 45
著者: 森下徹 
刊行:
2007年2月
仕様: A5変型判  ・  112ページ
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目次:
身分社会と奉公人
1.武士の役
  萩藩家臣団の構成/江戸番手と国元での役/役を支える奉公人
2.奉公人の調達
  知行所からの調達/萩での雇用/奉公人問屋の設置/
  人屋をとおした統制策/「人屋請」の撤回/奉公人確保策の推移
3.萩城下の成り立ち
  城下の概観/町方の店借/町の構造/武家屋敷の空洞化/
  外縁への拡大
4.周縁部の宿
  松本の宿/萩城下における宿/武家屋敷への滞留/宿の形成期/
  町方の斡旋業者と宿
5.奉公人の結びつき
  奉公人としての規範/奉公先での結合/縁を介した移動/
  店借としての定着/奉公人の出身地域/近世後期の動向/
  労働社会の多様な展開  
メッセージ・あとがき:
身分によって成り立つ近世社会には,家や集団から疎外された人たちもたくさんいた。
そのなかに労働力販売で日々の糧を得る者があった。
かれらには自身の肉体以外に共同で守るべき所有対象はないし,その労働もだれにでも代替できるものだった。
社会の構成原理からは異質な存在ではあったが,それでも当時の社会はかれらの労働を必要とし,むしろそれに依存するものともいえた。
その最たるものが武士のかかえた武家奉公人なのである。
そのあり方をとおして,近世における労働社会のありようにいささかなりとも迫ってみたい。