うさぎ駅長「もっちぃ」安らかに フラワー長井線・宮内駅、13年間乗降客を見守る

2023/6/22 09:42
フラワー長井線宮内駅のうさぎ駅長を務め、天国へ旅立った「もっちぃ」

 南陽市のフラワー長井線宮内駅のうさぎ駅長「もっちぃ」が20日深夜、13歳で息を引き取った。悲報を知らせる公式ツイッターには「これからも(運営する)山形鉄道を見守って」「幸せと癒やしをありがとう」といった声が、生前の写真を添えて寄せられている。

 もっちぃは白ウサギの雌で、2010年5月27日、川西町の置賜農業高で生まれた。宮内駅近くの熊野大社には「本殿裏に彫られた3羽のウサギを見つけると幸せになれる」との伝説が残ることから、茶色の兄弟「ぴーたー」「てん」とともに、山形鉄道が譲り受けた。もっちぃは10年8月にうさぎ駅長に就任し、「ぴーたー」と「てん」はうさぎ駅員となった。

 以来、駅を利用する学生や通勤する住民たちを、見守り続けてきた。駅員だった兄弟に先立たたれ、もっちぃも2021年の12月ごろから高齢により体調を崩すようになった。長期休暇を余儀なくされ、最近は山形鉄道職員の自宅で療養していた。13年間、駅で乗り降りする人たちを見守り、癒やし続けてきたうさぎ駅長は、20日午後11時50分に静かに息を引き取った。

 21日午前8時過ぎ、山形鉄道がツイッターでもっちぃが天国に旅立ったことを投稿したところ、約9時間で閲覧が100万件を超えた。「写真集を見返したら涙が出てきた」「お勤めご苦労様」「(ことしは)卯(う)年で長井線の開通100周年という特別な年でしたね」といったコメントも寄せられている。

 「同時に生まれた2羽の兄弟が2016~17年に先立ってからも、本当に頑張って長生きしてくれた。長井線への貢献は計り知れず、大きかった」と、山形鉄道の押切栄専務。近く、生前に親しんだ宮内駅で、お別れの会を計画している。

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