【スペック】全長×全幅×全高=3395×1475×1405mm/ホイールベース=2360mm/車重=760kg/駆動方式=FF/0.66リッター直3DOHC12バルブ(58ps/7600rpm、6.5kgm/4000rpm)/車両本体価格=99.8万円(テスト車=119.5万円)

ダイハツ・オプティクラシック(4AT)【ブリーフテスト】

ダイハツ・オプティクラシック(4AT) 2001.12.01 試乗記 森 慶太 ……119.5万円 総合評価……★★

ミラでいい

テスト車のオプティ「クラシック」は、現行ではオプティ「クラシックLicca」と名前が変わっている。Liccaとはナンなんだと思ったらカタログに説明があった。そこにいわく、「リカを中心にケイ、メグ、マユの4人によってつくられる大型ユニット。それがLicca with happy pappy(ハピパピ)です。未知の魅力にあふれた新しい時代のプロジェクトをダイハツも応援しています」。ちなみに4人の女の子のイラストつき。同ユニットのコピーライトはタカラにあるそうで、つまりこれはお人形かなにかなのか? 21世紀のリカちゃんはミュージックシーンにうって出るということなのか? そのうちオプティにもKeiとかMegとかMayuとかいった仕様が追加されるのか? わかりませんが、そういうことでよろしく。
クルマのありようは、簡単にいってミラの着せ替えバージョン(より正確にはさらにそれのお化粧違い)。ハッチバックをやめてトランクを独立させ、4枚のドアは窓ガラスの枠のないタイプで、当然ながら車体外板もミラとはすべてプレス型が違う。そういう意味では、かなり大がかりなことになっている。いわゆるハードップとすることで違いを出そうということか。それにしても、昔のフェローにこんなカタチをしたのがあったような。
で、乗るとほとんどミラ(これにもLicca仕様がある)。ただし全高は20mmほど低く、それと後席が少々狭い。ハッチバックでないぶんオトシン(騒音振動)関係の特性が多少ともいいのかもしれないが、オプティ単独で乗ったので違いはわからなかった。そのあとミラジーノにも乗ったけれど、やっぱり特に違いがあるようには思わなかった。

【概要】 どんなクルマ?

(シリーズ概要)
「オプティ」は、1998年10月より施行された軽新規格にのっとって、同年11月にモデルチェンジを受けた。走行性能、安全性能、そして居住性と全方位にわたっての向上が謳われる。軽自動車初という4ドアハードトップのセダンボディもウリのひとつ。エンジンはダイハツジマンの「TOPAZ」シリーズで、ラインアップは、3気筒SOHC(45ps/6400rpm、5.6kgm/3600rpm)、3気筒DOHC(58ps/7600rpm、6.5kgm/4000rpm)、3気筒DOHCターボ・インタークーラー付き(64ps/6000rpm、10.9kgm/3200rpm)の3種類。後にオプティは、「クラシック」と「ビークス」シリーズの2種類だけとなる。
(グレード概要)
グレードは、クラシカルな意匠が特徴の「クラシック」と、スポイラーなどスポーティな装備をもった「ビークス」とに大別される。
「オプティクラシック」は、外観に専用バンパーやグリルなどを装着、内装に専用シート生地やドアトリム、ウッドパネルなどを採用してクラシカルなイメージを演出したモデル。エンジンは可変バルブタイミング機構を持つ0.66リッター直3DOHC12バルブ(クラシック)とSOHC6バルブ(Lセレクション)が用意される。トランスミッションは、2WDモデルに5MTと4AT、4WDモデルは5MTと3ATが組み合わされる。2001年10月3日にマイナーチェンジを受け、クラシックが「クラシック Licca with Happy pappy」、Lセレクションが「Lスペシャル」とグレード名が変更された。

【車内&荷室空間】 乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★
ダッシュボードはミラと同じ……ではない。造形テーマが別モノで、したがって大物樹脂パーツは金型からして専用。メーターパネルからエアコン操作部までをグルッと横長に囲んで立体的に浮きたたさせたミラに対して、エアコン操作部から灰皿の下あたりまでを縦長にグルッと囲んで浮き立たせたオプティ。ただし、各種ユニットの基本レイアウトはどうやら同じだ。使い勝手? どっちも同じくらいにまあイイんじゃないでしょうか。なお、Aピラーの角度はオプティのほうがじゃっかん倒れぎみ。ボンネットからカウルトップの高さを低く抑えて車両前方の見切りのよさに配慮しているのがダイハツ流。
(前席)……★★★
テスト車のクラシックはスエード調ニットだったが、現行のクラシックLiccaは、クラリーノよりもずっと本革に近い触感のプロテインレザーになった。シートじたいのかけ心地もまあそれなりに。座ってオッと思うのは床から座面までの距離が意外と短いこと。つまり、着座位置が床に対して低いこと。ボンネットからカウルトップの高さ(低さ)に合わせたということか。居心地をわかりやすく表現すると「ミニ(初代)みたい」。やはり、スズキ(こっちはプント風)とは明らかに考えかたが違う。
(後席)……★★★
都内と河口湖を往復してみたところ、身長170cmの成人男性の居場所としてはちょっと窮屈であると判明。上司に怒られてるときみたいな姿勢を低めの天井の下でとり続けないといけなくてちょっとツラかった。ヘッドレストも実質ないのと同じだし。オプティの後席は、ナンというかダラッと座れないような形状になっている。で、それじたいはもちろん悪くない。身長160cmかそれ未満ぐらいの人だったらわりと快適に過ごせると思う。でも、どうせならもっと思い切りよく狭くしてもよかったのではないか。コドモか荷物用とわりきって。そうすれば、エクステリア造形の自由度もガーンと上がったのに。現状、オプティ見て迷いなく「スタイリッシュ!」といえる人はそんなに多くないと思う。
(荷室)……★★★
ナンといっても、独立したトランクを備えた軽自動車は現在オプティしかない。リッドのヒンジがダブルリンク式だったりして、細かいところにもそれなりお金がかかっている。それに、容量だってなんとか実用になるし。ちなみにカタログ値は192リッター(VDA法)。

【ドライブフィール】 運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★
可変バルタイのありがたみは手応えとして明確にある。速い。強力。やっぱ効くのね〜。街なかではいっさい不満なし。ただ、高速道路でファストレーンを可能なかぎりキープしようと思うといささか忙しい。最近は、空いているとメーター上130km/hぐらいで平気で流れるから。
でその際、エンジンの能力が足りないというよりはむしろオートマが問題。ギャンギャンと盛んなキックダウン大会になってウザい。といってOD使わずサードのみでは低すぎだし。さりとて真ん中および左側の車線オンリーでは動力性能余ってるし。中途半端。同じことを別のクルマのところで書いた気もするが、シフトプログラムやギア比を見直すかいっそ3ATをつけてみてはどうか?
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
各種クルマ選び本(の古本)をイロイロと読んでみてわかったことに、自動車ヒョーロンカというのはたま〜に軽自動車に乗ってそのデキのよさに感心するのが好きらしい。ひょっとして私もそのクチかもしれない。
ここしばらくの間に『webCG』のココの仕事で軽自動車に何台か続けて乗ったその最初が実はオプティクラシックで、やはりというかけっこう感心してしまった。エンジン性能に合わせたチューニングのせいもあったのだろうけど、全然ヘロヘロではない。思ったよりビシッとしていてけっこう快適。けっこう楽しい。
これまでの経験にいささかの後知恵も加味していえば、どうもダイハツの軽はスズキの軽より手応えがタフである。車体といわず操舵系といわずアシといわず、ガッチリ感が高い。逆にいえば、それだけハードウェアのリーン化がヘタということでもある。乗るほうとしてはむしろウェルカムなことであるけれど。

(写真=郡大二郎)

【テストデータ】

報告者:森慶太
テスト日:2001年8月20日から22日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:2147km
タイヤ:(前)155/65R13 73S/(後)同じ(ブリヂストン B391)
オプション装備:サイドエアバック(3.7万円)、13インチアルミホイール(4.0万円)、DVS(トラクションコントロール+ABS+横すべり制御)(12.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:148.8km
使用燃料:21.9リッター
参考燃費:6.8km/リッター

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