FINANCE Watch
大和生命とソフトバンク・ファイナンスがあざみ生命を共同設立

左から
牧野明 大和生命社長
野々宮恵司 あざみ生命社長
北尾吉孝 SBF社長
梶川朗 あざみ生命副社長
あざみ生命役員構成

  大和生命保険とソフトバンク・ファイナンス(SBF)は23日、相互会社ではなく株式会社形態の新生命保険会社「あざみ生命保険株式会社」を20日付で共同設立するとともに、昨年8月に業務の一部停止命令を受け経営破綻した大正生命の保険契約を新会社が包括的に引き受けることで保険管理人と合意したと発表した。

  あざみ生命の設立時の資本金は10億円で大和生命とSBFが折半出資する。同社は本日付けで金融庁から生命保険業の免許を取得。裁判所の許可を得て3月31日に大正生命の保険契約を移転し営業を開始する予定。それまでに、異業種10社程度の出資を仰ぎ資本金を60億円に増資する。

  さらにその後、あざみ生命の規模拡大による効率化と営業力を強化するために大和生命はあざみ生命7月1日をもって営業譲渡、業務委託を行い、既契約の維持管理会社となる。そして、2002年4月1日を目処に大和生命とあざみ生命は合併する計画で、あざみ生命が存続会社となり、その時点での資本金は100億円に増資する。

  あざみ生命の社長に就任した野々宮恵司 大和生命取締役は「破綻した保険会社のほとんどが外資系に救済されているなか、是非とも大正生命は国内生保として救済することが望ましいと考えていた。今後は契約者不安を解消させ、安心と信頼を確保していきたい」と救済に対する考えを述べた。あざみ生命については「顧客基盤をもつ異業種企業群と戦略的提携を図り、連携していくことが最大の特徴で全く新しい生命保険会社にしていきたい」(同社長)と抱負を語り、具体的には各企業毎のオリジナル保険を開発・提供するなどして、顧客サービスの高度化やアウトソーシングの活用、低コスト営業を実践し高収益の保険会社にしていく方針で、3年後には株式上場も考えているという。

  一方、ソフトバンク・ファイナンスの北尾吉孝社長は保険業参入について「日債銀の時のように機関生保化と報道機関などから批判を浴びることだけは決してないよう単独での生保買収は考えなかったが、野々宮社長から異業種連合構想を聞いてこれならばソフトバンクのスタンスやスタイルに合うと判断して協力を決めた」と経緯を説明した。協力については「グループ経営資源の提供をはじめ全面的に協力し、あらゆる取引チャネル、サービス、情報を顧客に提供することで差別化を図り、業界最低水準の保険料を実現させる」と述べた。

  今後異業種企業(原則として1業種1社)の出資と事業参画を募っていくが、その過程においてSBFの相対的な出資比率は低下させていき、最終的には10%以下の比率にする予定。ただし、そうなったとしてもSBF以外に他のソフトバンク・グループ企業が異業種連合に参画し出資する可能性はあるとしている。

大和生命からみた戦略

設立背景

概要

ビジネスプラン

ビジネスモデル

SBFと共同


戦略1


戦略2

ソフトバンク・ファイナンスからみた戦略

基本方針

希望する異業種企業

顧客に3つの「ALL」を提供

あざみ生命に役立つグループの経営資産

SBF金融ネットワーク

リアルとバーチャルの融合

保険に関するグループの販売情報チャネル

運用エクスパティーズ

401(k)プランでの例

いろいろ反対もあったようだが
「あざみ」の名付け親は北尾社長

■URL
・大和生命保険相互会社
http://www.yamato-life.co.jp/
・大正生命保険株式会社
http://www.taisho-life.co.jp/
・ソフトバンク・ファイナンス
http://www.sbfinance.co.jp/
・グループを再編し第4ステージへ~ソフトバンク・ファイナンス
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/30/doc1837.htm

(別井貴志)
2001/02/23 21:27