「パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム」は文部科学省が卓越した博士人材の育成を目的に実施する「卓越大学院プログラム」の一つとして、2018年度に採択され、林センター所長がプログラムコーディネーターを務めています。2024年度に補助事業期間としては最終年度を迎えることから、「国公私立13大学連携によるエネルギー博士人材が拓く未来」と題して、2024年2月14日に成果報告シンポジウムを開催しました。
PEPは国公私立13大学連携のプログラムとして、インターユニバーシティ型プラットフォームを確立し、プログラムを運営してきました。本シンポジウムでは、卓越大学院プログラムの中でも突出したプログラム運営を成功させた秘訣について、また、補助事業終了後のさらなる進化を目指した議論を展開しました。
開会挨拶にて、田中愛治総長より2018年に総長就任後、初仕事がPEP連絡協議会での冒頭挨拶であったこと、PEPが2024年度修了後、自走化に入ることを視野に入れ、PEPの後継として全学に開かれた組織にすべく、当センターを2022年12月に設立したことが述べられました。
その後、文部科学省高等教育局 池田貴城局長より、ご来賓挨拶をいただきました。
産学連携による実践的な研究教育が「PEP」の大きな強みです。本プログラムには連携機関として、エネルギーインフラ企業が多数参加しており、本シンポジウムではENEOS常務執行役員 藤山優一郎様と東京電力パワーグリッド取締役副社長執行役員 最高技術責任者 岡本浩様が登壇しました。企業として電力・エネルギーインフラを支えるプロフェッショナル博士人材の育成に携わった感想や、今後の展望について基調講演を行いました。
次に、林泰弘センター所長が登壇し、PEPプログラムコーディネーターとして成果報告講演を行いました。
PEPプログラムの成り立ちから、今年度までの成果を報告、また、PEPプログラムが全学に波及し、当センター設立のきっかけとなり、今後、大学院カーボンニュートラル副専攻を設置する流れとなったことにも触れ、自走化後のPEPプログラムの展望について語りました。
事務局からの成果報告、修了生事例紹介後、「13大学連携・産学連携の価値と進化」というテーマでパネルディスカッションを展開しました。
本パネルディスカッションではオンライン授業等で用いられている「ライトボード(Lightboard)」を使用し、石井英雄モデレーターがリアルタイムで登壇者の意見を集約し、ボードに書き込むという革新的な方法で行われ、ウェビナーでの参加者からも好評を博しました。
電力系教員・エネルギーマテリアル系教員・連携機関の立場から、「PEPの価値の深堀」、「PEPの進化」という2つのテーマについて議論しました。
白熱したディスカッションの結果、「人は財なり。垣根低く、目標高く。孤高の点在から、未知のネオドクターへ」という総括で、締めくくりました。
「これまで例をみない教育環境を実現したPEPプログラムの流れを受け、当センターで開設する『大学院カーボンニュートラル副専攻』により、カーボンニュートラル社会の実現に資する人材の育成を目指して、文理融合教育を推進していく」という須賀副総長の閉会挨拶にて、盛況のうちにシンポジウムは終了しました。
今後もカーボンニュートラル社会研究教育センターは、PEPプログラムが構築した博士人材育成のノウハウを継承し、更なる発展させる形で、カーボンニュートラル社会実現に資する人材育成を推進してまいります。