世界三大珍獣・オカピは首の伸びなかったキリン!?神秘的な素顔や野生の真実を聞いてみた【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

東京ウォーカー(全国版)

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野生を身近に感じられる動物園や水族館。動物たちは、癒やしや新たな発見を与えてくれる。だが、そんな動物の中には貴重で希少な存在も。野生での個体数や国内での飼育数が減少し、彼らの姿を直接見られることが当たり前ではない未来がやってくる、とも言われている。

そんな時代が訪れないことを願って、本連載では会えなくなるかもしれない動物たちをクローズアップ。彼らの魅力はもちろん、命をつなぐための取組みや努力などについて各園館の取材と、NPO birthの久保田潤一さんの監修でお届けする。第13回の今回は希少動物の飼育に力を入れている、よこはま動物園ズーラシア(以下ズーラシア)でオカピの飼育に携わる森田菜摘さんに、お話を聞いた。


意外に新しい、日本でのオカピの飼育

単独で暮らすオカピは物静かな動物。その顔はキリンに似ているが、どこか哲学者めいた雰囲気も漂わせる写真提供:よこはま動物園ズーラシア

――ズーラシアは1999年のオープンとともに、オカピを日本で初めて公開した。以来20余年、継続的にオカピを飼育。現在はオスのホダーリ(21歳)、メスのララ(7歳)、オスのバカーリ(7歳)の3頭が暮らしている。(※2022年11月現在)

一番年上のホダーリは穏やかな性格で、人にも慣れた落ち着きのある個体です。ララはちょっと人見知り。バカーリはまだ若いので血気盛んなところがあり、ほかの2頭に比べると少し興奮しやすいところがあります。

オカピは首の伸びなかったキリン

オスのホダーリ。3頭の中では一番年上で、落ち着いた雰囲気だ写真提供:よこはま動物園ズーラシア

――脚にシマがあり、一見するとシマウマのように見えるオカピだが、実はキリンの近縁種だ。

元々オカピとキリンの祖先は、オカピぐらいの大きさと形だったと言われています。そこから進化の過程で首が長く伸びたものがキリンになり、原形に近いまま進化したものがオカピとして現存しています。

見晴らしの良いサバンナの草原に暮らしているキリンは、人間に早くから発見されていました。その後発見されたオカピがキリンの近縁種と判明したため「キリン科」とつけられていますが、2種の進化をたどると原始的な形をとどめているのはオカピの方だと言えます。

キリンとの共通点として挙げられるのが角で、2種とも角が先端まで皮膚で包まれています。なお、キリンはオス、メスともに角がありますが、オカピはオスにしかありません。ほかには舌が長いところも、共通の特徴です。

50センチほどの長さがあるオカピの舌。キリンとの共通の特徴の一つだ写真提供:よこはま動物園ズーラシア


実はキリン科にはオカピとキリンしかいないので、唯一の仲間同士。野生のオカピは熱帯雨林で暮らしますが、現在はアフリカのコンゴ民主共和国にある、イトゥリの森という保護区にしか生息していないと言われています。

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