【玉木宏インタビューVol.1】稀代のプレイボーイ役で愛の駆け引きを描く

関西ウォーカー

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舞台「危険な関係」で稀代のプレイボーイ子爵を演じる玉木 宏


1988年にグレン・クローズ、ジョン・マルコヴィッチらが出演したハリウッド版をはじめ世界各国で数多く映画化、2005年には日本でもドラマ化された名作『危険な関係』。原作はフランスの作家・ラクロの恋愛心理小説で、華麗なる社交界を舞台に貴族の退廃と愛の駆け引きを描く物語だ。

18世紀末のパリ。社交界に君臨する妖艶な未亡人・メルトゥイユ侯爵夫人は、かつて愛人だった伯爵への恨みから、その婚約者・セシルの純潔を踏みにじろうと、プレイボーイのヴァルモン子爵に助力を求める。彼は貞淑な法院長夫人を誘惑中だったが、誘惑の妨げがセシルの母と知り、メルトゥユ夫人の計画に乗って…。

イギリス人劇作家のクリストファー・ハンプトンが戯曲化、85年にウエストエンドやブロードウェイで上演し大成功。日本初演から約30年を経て、新進気鋭の演出家リチャード・トワイマンが、日本初登場で演出する。主演は、稀代のプレイボーイ子爵を演じる玉木 宏と侯爵夫人役の鈴木京香。2人が仕掛ける恋愛ゲームに翻弄される人々には、野々すみ花、千葉雄大、高橋惠子ら豪華出演者が顔をそろえる。

玉木は、13年に「ホテル マジェスティック~戦場カメラマン澤田教一 その人生と愛~」で初舞台を踏んで以来、4年ぶりの舞台出演。復讐、策略、誘惑、愛と性のゲーム…退廃的な世界観とスリルに満ちた大人の舞台に、どう挑むのか。稽古2週間後で、まだ全体像が固まらないなかでの来阪だったが、その意気込みと大阪について素顔の思いを聞いた。

Q:初舞台は13年でしたね

「ホッとした気持ちと達成感と、両方あったように思います。生のものは映像に比べると緊張感が高いのは当然なので、初舞台、無事に終われたという感じでした。」

Q:初舞台なのに、舞台になじんでいたように見えました

「初めてのこと、未知の世界ではあったんですが、不思議と緊張感はなかったですね。通し稽古と一緒のような気持ちで臨めたというか…それがすごく不思議な感覚だったのを覚えています。楽しめている自分がいました。それは立ってみる瞬間までわからなかったですけど、稽古期間を経て、お客さんに観てもらえる時間がようやく来た、あぁ、やっと来たかという気持ちの方が大きかったのかもしれないですね。」

Q:初舞台の経験から得たものは?

「生でお客さんにお芝居を見せることは、それ自体が鍛えられる環境だなと感じたことがずっとやりたいと思っていた理由です。本公演が始まってしまったら、ちゃんと自分たちでゴールまで持っていかなければいけない。そういう意味で、メンタルがすごく鍛えられるものだなと感じていました。前回は東京・名古屋・大阪と3か所でやらせていただいて、その場所によってお客さんの反応が違うというのも感じましたし、お客さんの反応が違っても、それに流されないこともすごく重要だと。」

「あと、映像だと、大体一つのセリフを本番で1回言うと終わってしまうんですけど、舞台は同じことを何度もやる難しさを感じましたね。その中で慣れてしまうと、相手も変わってきますし、新鮮な気持ちで何公演も臨んでいく難しさはありました。」

Q:大阪のお客さんの反応はどうでしたか?

「笑いたいところでは我慢せず笑っていただけるという意味では、こちら側としてもやりやすいというか。僕らはそこに一喜一憂してはいけないと思うんですけど、でもやっぱり反応がいい。この舞台に限らず、何で来ても大阪はそう感じますね。」

舞台「危険な関係」は11月に森ノ宮ピロティホールで上演


Q:今回出演される作品について教えて下さい

「すごく繊細な心理戦、会話劇です。もともとの戯曲に近い形の作品になっているんじゃないかと思います。本来書かれている言葉に近い翻訳になっていて、一言一言丁寧に描かれています。言葉がすごくきれいで、印象に残るセリフもたくさんあるんですが…一つの言葉が持つ意味が一つではなく、ダブルミーニングだったり、時にはトリプルミーニングだったり。言葉の意味の解釈、その摺合せに稽古時間を割きました。一つの言葉にそんなに意味が含まれているんだという。それぐらい奥が深く、言葉量がすごく多い作品なので、そのさじ加減が今、すごく難しいところです。」

「内容に関しては、人に意地悪する部分であったり、誰かを本当に愛する気持ちだったり…。すごい世界ではあるなと思いますけど、奥が深く、根底にある人の気持ちを理解できるからこそ、時代を経て、いろんな場所でやり続けられてきたものだからじゃないかと感じています。そういうところを伝えたいし、僕らも理解してやるべきだと思っています。」

Q:印象深いセリフとは?

「トゥルヴェル夫人が僕のことを最初拒否していて、それをメルトゥイユに対して伝える時に『運命の結末から遠ざかろうと1歩1歩歩くたび、反対に近づいていくんだ』と言う。独特な表現ですが、でもすごく、らしいというか。あとは後半戦で、トゥルヴェル夫人を落としてから、エミリーといるところに遭遇して嫉妬心を抱いたトゥルヴェル夫人を安心させる言葉として、『君に会ったこともなかった男が軽率にやってしまったんだ』と言う。自分のことを第3者のように見ながら言うセリフがあるので、非常に言い回しに苦労しています。」

Vol.2(https://news.walkerplus.com/article/124778/)へ

高橋晴代

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