和歌山県庁南別館

 和歌山県庁南別館

 

【建物概要】南東面見上げ

基本設計 梓・高松設計共同体

設計監理 梓・高松設計共同体

建築工事 熊谷・保田・溝畑特定建設工事共同企業体

電気設備工事 きんでん・協栄・小林特定建設工事共同企業体

機械設備工事 三機・ワカノ特定建設工事共同企業体

昇降機設備工事 フジテック

敷地面積 4,558㎡   建築面積 1,182㎡

延床面積 11,430㎡   階  数 地上10階

軒  高 45.2m     最高高さ 50.1m

構造種別 S造+CFT柱/一部RC造(免震層及び下部構造)

一部SRC造(2階梁)

上部構造 耐震ラティス付ラーメン構造

下部構造 純ラーメン構造

業務開始 平成19年4月

 

 今回は和歌山市にある『和歌山県庁南別館』を紹介します。

和歌山県庁南別館は県庁舎の別館であり一般執務を行う機能とともに、今後30年以内の発生確率が70〜80%と予想される南海トラフ地震や、台風による風水害や土砂崩れ等などのあらゆる災害から県民の生命・財産を守るため県の防災体制を強化するための拠点施設(防災センター)としての機能も整備されています。また、大災害時には県の災害対策本部を設置し、災害情報の収集や関係機関への情報伝達等、災害対策活動の中枢としての役割を果たすこととなります。

 建物は、1階柱頭の中間層免震構造とし、上部構造は鉄骨造耐震ラティス付ラーメン構造、下部構造は鉄筋コンクリート造純ラーメン構造としています。

耐震ラティスとは、フラットバー(t=2545×150mm)による建物外周ブレースで、地震力による水平力を100%負担して剛性を高めることから免震効果が高まることで、柱・梁を小さくすることが可能となり、防災拠点施設としての高い耐震性と、建物内部に耐震壁等がない開放的な執務空間を実現しています。

 特徴的な斜め格子状の外観は、菱形のアルミカーテンウォールと菱形のサッシュで、耐震ラティスと同一形状で構成されています。この外観意匠のコンセプトは、北東約500m先に位置する和歌山城の堅牢な石垣をイメージされています。

 防災拠点施設として大災害を乗り越えるためにさまざまな工夫が施されています。

 1階部分を高さ5mのピロティとし大型車両の乗り入れを可能とするとともに、屋上には防災ヘリ・県警ヘリの離着陸のためのヘリポートが設けられています。停電時にはガスタービン発電機が設置されており、3日間72時間分の燃料を埋設タンクに備蓄しています。地下ピットには、下水道が機能しなくなった時に緊急貯留槽として7日分の汚水等の排水を貯留することが可能となっています。

 和歌山県は、台風・大雨・地震・津波等の自然災害が多い地域です。どんなに自然災害に備えていても、災害を防ごうとしても自然災害は必ず起こります。当施設を取材することで、災害に対する日頃の備えについても見つめ直す良い機会となりました。

 

【会報誌きのくにR2年4月号掲載】

情報・出版委員会 竹本憲司

 

 

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