海外からくるゲストにとって、日本の田園地帯にある旅館はまったくもって不可解なものです。言葉の問題やロケーションのわかりにくさ、神秘的な伝統などが敷居を高くしています。建築史を学んでいない外国人にとっては、日本の伝統建築もハードルの一つ。二期倶楽部の東館、「NIKI CLUB & SPA」はまず、その最後の難問から解決することを試みました。ブティックホテルでおなじみのモダニズム建築を採用することで、日本の高級旅館は和風建築でなければ、というこれまでのしきたりを破ったのです。
二期倶楽部の歴史は1986年にオープンしたわずか6室の本館「にき倶楽部1986」に始まります。後にオープンした東館のNIKI CLUB & SPAはイギリスのデザイナー、サー・テレンス・コンランによるもの。そのおかげで、海外からのゲストにもなじみのあるリゾートに仕上がりました。にき倶楽部1986とは対照的な建築ですが、二つの建物はしっくりと調和しています。
にき倶楽部1986にはダイニングルームとライブラリー・バーが、NIKI CLUB & SPAにはガーデンレストランとインターナショナルスタイルのスパがあります。温泉マニアにはにき倶楽部1986の伝統的な内湯がお勧めです。近くの森の中にある「森の露天風呂」で川のせせらぎを聞きながら温泉につかるのも最高の思い出になるでしょう。西洋のスタイルと和風の伝統とがみごとに融合したこのホテルでの体験は日本の温泉リゾートの中でも特にユニークなもの。海外のゲストにも親しみやすい二期倶楽部は日本の伝統的な旅館への入門編としてもぴったりです。