ディーン&ダンが叫んだ。「ティーンエイジ・マッドネス!」
「ティーンエイジ・マッドネス!」。ショーの前、バックステージでディースクエアード(DSQUARED)を手がける双子のデザイナー、ディーン&ダン・ケイティンが声を揃えて叫んだ。生まれ故郷のトロントから歩み始め、ファッション界で20年以上のキャリアを築いてきた彼ら。今回は、メンズ・ウィメンズのコレクションを同時発表し、マッシュアップ・スタイリングの新たな高みを見せた。
“自分らしくあること”のセレブレーション
「私たちは、前を向くために過去を振り返りました。これまでやってきたこと、そして、“ディースクエアード・レベルズ(反逆者)”のエネルギーに思いを馳せています」と彼らは話した。「私たちがずっと主張してきたこと、つまり、自分自身であること、個人として堂々とすること、ありのままの自分で心地よくいることを祝いたいのです。他の誰かの判断とは関係なく」
壊れたものを再構築したようなルック
ランウェイに登場した“ティーンエイジャー”たちは、ディーン&ダンが学生時代に出会った人たちのようにも思えた。ギーク、ゴス、エモ系などだったが、それぞれが壊れたものを再構築したようなルックを纏っていた。キャットウォークの奥には学生の部屋のセットがあり、どの世代でも共感できる細かなディテール満載の“ティーンの部屋”に仕上がっていた。
TikTokのスーパースター、ニック・カウフマンとジャン・カルロとともに、マッシュアップ・スタイリングを駆使したアウトフィットのモデルたちが次々とランウェイを歩いた。
めくるめく、マッシュアップ・スタイリング
今回披露されたルックは多彩すぎるものだった。内容を全て説明しようとするとしたら、むしろそれが狂気の沙汰だと思えるくらいだ。部分的にしか伝えられないのを承知でまとめると、登場したアイテムは、ウェスタン・フリンジ・ジャケット、カナディアンなアウターウェア、クリスタルを散りばめたデストロイド・デニム、カウボーイ・レザーのジョックストラップ、超ローライズのカーゴパンツ、ボクサーパンツ、テディベア・ボンバージャケット、レースのパンティー、シースルーのキャミソールなどだった。
これら全てがディーン&ダンの“ファッション・パーコレーター”に入れられて吐き出され、身体を美しく露出するルックとして組み直されているのである。「“女の子のアイテム”や“男の子のアイテム”で遊んでみました。パンティーを履いた男性ほど、ホットな存在はいません!」とディーン&ダンは熱く語った。「目指したのは“オープンさ、遊び心、勇気”です。批判はせずにね」
※ディースクエアードの2023-24年メンズ秋冬コレクションを全てをみる。
Photos: Gorunway.com Text: Tiziana Cardini Adaptation: Mamiko Nakano
From VOGUE.COM