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いくつ正解できる? 『ハリー・ポッター』キャストたちの裏話。

第1作目の公開から19年を迎えた『ハリー・ポッター』シリーズ。20周年を前にますますまの盛り上がりを見せているのは、ファンだけはなくキャストも同じ。11月にドラコ・マルフォイ演じたトム・フェルトンが、オンライン同窓会を計画中なんていうニュースも。そんな大人気シリーズの裏話を紹介。あなたはいくつ正解できる?

エマ・ワトソンがハーマイオニー役で唯一の後悔は?

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)より。Photo: Warner Brothers/Everett Collection/amanaimeges

優等生のエマ・ワトソンは『ハリー・ポッター』シリーズに出演できたことは喜びだけど、一つだけ後悔をあげるとしたら、シリーズ当初の自身の髪の毛で、「とにかくひどい髪で、見直すのがとてもつらい」というほど、気に入らないそうだ。

確かにエマは現場でも後悔のないように、子どもながらにも自分の意志はしっかりと貫いていたようだ。シリーズ2作目の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)では、ダニエル・ラドクリフ演じるハリーとルパート・グリント演じるロンとハグをする演出にダメ出し。「大勢の人がいる前で、男子二人に飛びついてハグをするなんて到底ありえない」と監督の演出に断固反対。結局ハリーとだけ秒ハグをし、ロンとはハグをしないことになったそうだ。しかし、それでは絵にならないと、監督はその秒ハグをフリーズさせて、映画上では長いハグに見せなければいけなかったという。

後悔で言うなら、ダニエル・ラドクリフの場合は、「子役出身の役者は生意気で横柄な人に育つ傾向にあるから、そうならないように」と周囲に言い聞かされてきたため、できる限り人に優しく、感情的にならずに生活をしてきたという。ところが、その誰にでも感じよく接することが体に染みついてしまっていることから、2015年に出演した英トーク番組「グラハム・ノートンショー」である悩みを告白。

ファンの子から写真撮影をせがまれ、「君が撮りたいならどうぞ。撮りましょう」と何の悪気もなく答えたら、「一緒に撮りたくなかったら、お願いなんてしないけど」とひどく感じ悪く答えられたのだという。そこで慌てたダニエルは、「ごめんごめん、俺がバカだったよ。ごめんね」と謝罪。そのやり取りを横で見ていたダニエルの彼女に「あんた(謝るなんて)何考えるの? あの女性、最低の態度だったよ」と言われたという。どんなに最悪な態度をとる人にも優しくし、反射的に自分から謝ってしまうのが辛いのだそうだ。

さらにダニエルによると、ロン役のルパートは「誰のどんな言葉に対しても否定をしてはいけない」「感じをよくしなくては」という思いから、すべてに「イエス、いいよ」と答え続けたことで、知らない人の家にまで行ってしまったこともあるのだとか。いやはや、子役も大変だ。

ダニエル、エマ、ルパート。監督からの課題未提出でもドヤ顔の人は誰?

アルフォンソ・キュアロン監督がカメラを手にエマ、ルパート、ダニエルを撮影。Photo: Warner Bros/Everett Collection/amanaimages

シリーズ第3作となる『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)で、シリーズ1&2作目を手がけたクリス・コロンバスから、アルフォンソ・キュアロンに監督交代。US版「ハフィントン・ポスト」によると、この交代によりキュアロン監督からダニエル・ラドクリフ、エマン・ワトソン、ルパート・グリントの3人に、それぞれ自身のキャラクターについてのエッセイを書いてくるようにという課題が課せられた。その結果……。

誰もが予想するようにハーマイオニー役を地で行く優等生のエマ・ワトソンは、なんと16ページのレポートにして提出。ハリー役のダニエルはシンプルに1ページのキャラクター考察を監督へ。そして、ロン役のルパートは未提出のまま逃げ切ったという。ルパートの言い訳としては、ほかの二人よりも年齢が上のこともあり、同タイミングで英国の15~16歳の学生が受けなければならない全国統一試験GCSEの勉強をせねばならず、エッセイどころではなかったのだという。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)より。Photo: Warner Bros/Everett Collection/amanaimages

しかし、なんだかんだ言いながらも、提出せずに済んだことにめちゃくちゃ喜んでいる様子。「そういうところもロンっぽいなって、キュアロン監督も喜んでくれてたはずだよ」と、勝手に自分で監督の心中も妄想して納得。実はルパートは、想像以上にロンというキャラクターと似ているのかもしれない。

笑いが絶えなかった現場。どっきり仕掛け人のMVPは?

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)より。Photo: Warner Bros/Everett Collection/amanaimages

ロン・ウィーズリーの双子の兄フレッド&ジョージ・ウィーズリーを演じたのが、ジェイムズ&オリバー・フェルプス兄弟。物語では両親すら見分けがつかないほどそっくりの同一卵性双子で、将来は「ジョークショップ」を開店することを夢見ていた兄弟だが、実際のフェルプス兄弟も変わらぬ冗談好きで、現場でちょこちょこ入れ替わり作戦を実行し、周囲の人たちを困惑させて楽しんでいたという。ただし、役柄を演じているときは「怒られたら怖いから」と、入れ替わることはしなかったそうだ。

しかし、そんなフェルプス兄弟よりも上をいっていたのが、セブルス・スネイプ先生役で大の大人のアラン・リックマン。リックマンはハリー役のダニエル・ラドクリフに一泡吹かせようと、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)で、ハリーが学校の生徒たちと一緒に就寝するシーンで、彼の寝袋にリモート操作できるおならマシーンを仕掛けたのだ。アルフォンソ・キュアロン監督なども巻き込んで仕掛けたドッキリは大成功。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)より。Photo: Warner Bros/Everett Collection/amanaimages

ハリーはスネイプ先生とダンブルドア校長が話をしているシーンで、ブーブーとおならを繰り返し、ほかの生徒たちも我慢できずに大笑い。さらに、実際におならマシーンのボタンを押していたのは、ダンブルドア校長役のマイケル・ガンボンという事実も発覚。これにはさすがのハリーもたじたじだった模様。映画にはおならサウンドはもちろん入っていないが、このシーンを観たら思わず吹き出してしまいそうだ。

総出演時間わずか31分。強烈な印象を残したあの人の本性は?

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)より。Photo: Warner Brothers/Everett Collection/amanaimeges

『ハリー・ポッター』シリーズではドラコ・マルフォイを演じ、プライベートでもエマ・ワトソンと大の仲良しのトム・フェルトン。最近、彼の『ハリー・ポッター』シリーズ全8作品の合計出演時間はたったの31分だというのが話題になっているが、たった31分であれだけの存在感を放っているのだから、キャラクターもそれを演じたマルフォイの印象が強烈なものだったことがわかる。

そんなトム・フェルトンだけど、実は『ハリー・ポッター』シリーズのオーディション時、原作の内容をまったく知らなかったという。英国の子どもたちが誰でも受けられる公開オーディションでは、受験者たちに「原作本のどのシーンを映画化してほしいか」といった質問がされていたという。しかし、原作をまるで知らないトムは「やばい、わからねぇ」と焦り、自分の前の子が「グリンゴッツだかゴブリンとか言ったから、『僕もそのグリンゴッツのとこが最高だと思います』」と適当に調子を合わせて答えたものの、監督には子どもの嘘はバレバレ。ところが、そのずる賢さと機転を利かせるところ見て、監督が気に入ったのだろう。無事に役をゲットするに至った。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)より。Photo: Warner Bros/Everett Collection/amanaimages

ただ、彼にはセットにお菓子を持ちこむというスタッフ泣かせの悪癖があったそうだ。2014年にカルガリーで開かれたコミック博覧会でトム・フェルトンは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)から、スタッフたちがトムの着用するスリザリンのローブのポケットを縫いつけたという噂を自ら認めることに。ローブのポケットは深くて大きかったため、飲み物や大量のお菓子をポケットに忍ばせて撮影に挑んでいたトムの行動に手を焼いたスタッフたちによる苦肉の策により、トムは行動を自粛せざるを得なくなってしまったのだ。

キャストが勝手に予想。未来のロン&ハーマイオーニーはどうなってる?

『ハリー・ポッター』ファンも驚きを隠せなかったのが、ロンとハーマイオニーが結ばれるという恋愛の結末。確かに何度かお互いを意識するようなシーンもあったけど、てっきりハリーとハーマイオニーが結ばれるものだと思っていた人は大勢いるはず。そんなラストに納得がいっていないのは、キャストたちも同じだった模様。

2016年にアメリカのユニバーサル・オーランド・リゾートで行われたイベント、第4回ハリー・ポッター・セレブレーションに出席したルパート・グリント(ロン・ウィーズリー)、マシュー・ルイス(ネビル・ロングボトム)、ケイティ・リューイング(チョウ・チャン)、イヴァナ・リンチ(ルーナ・ラブグレッド)の4名は、自分たちのキャラクターの未来について問われ、勝手な妄想で言いたい放題!

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(09)より。Photo: Warner Bros/Everett Collection/amanaimages

なかでも、ルパートは自分が演じたロンとハーマイオニーの関係に対して、「あの二人は絶対にうまくいかないから、もうとっくに離婚をしていると思う。たぶんロンは無職で、シングルルームで独りデートアプリをいじったりしてるだろうね」。これにイヴァナ・リンチはルーナ役らしく、「離婚って言わないで。今は別居中と言って。そうしたらヨリを戻す可能性もあるんだから」と言うと、「わかった、わかった、短期破局中ね」とあくまでも別れていることを譲らなかったルパート。

そのリンチは、「おそらくルーナは冒険ドキュメンタリーシリーズを作っている。ナチュラリストで、世界中を旅してドキュメンタリーを撮っているはず」。ハリーの初恋のお相手だったチョウ・チャン役のケイティは、「チョウは冷酷無慈悲な起業家になっていると思う。彼女は泣きはらして涙を枯らしてしまったから、今は冷酷で心のない人になっているかも」。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011)より。Photo: Warner Bros/Everett Collection/amanaimages

一方、ネビル・ロングボトム役のマシューは「ネビルは教授になっているだろね。そしてロンに仕事を紹介してやろうとするけど、ロンはそのオファーを『俺のことはほっといてくれよ』なんて突き放してくるんだ。でも僕は『ひとまず脱線した道から戻ってこいよ』なんて世話を焼いていると思う。ちなみにロンとハーマイオニーのおかげで、友人たちもみんなバラバラになっている。僕はロンの肩を持っちゃったけど、みんなはどっちについたんだ?」

するとリンチもリューイングも「ロン」とのこと。それに対してルイスは「ハーマイオニーは友だち全然いないんだな」とポツリ。「だってロンの方が助けを必要としそうじゃない」と女子たちの鋭い指摘。いずれにしろ、誰もがロンの未来は明るいものではないと思っていることだけは間違いないようだ。

それは原作であるJ・K・ローリングも同じ。彼女ですら、ロンとハーマイオニーを物語の中でくっつけたことをまさかの後悔。「ハリーと結ばれていればよかった。おそらくハーマイオニーとロンは将来的にカウンセリングのお世話になっているはず」と言及するほど。原作者にまで否定される、スペシャルカップルとなっていた。

Text: Rieko Shibazaki