男子100キロ超級 原沢久喜 打倒リネールで悲願の金へ 「これがひとつの集大成」【五輪柔道】

柔道

2021.7.30

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原沢久喜 Photo:Itaru Chiba

「東京オリンピックは私の柔道人生的には一区切りの大会になる。ひとつの集大成として考えています」

男子100キロ超級代表の原沢久喜(百五銀行)は、並々ならぬ覚悟を胸に"武道の聖地"日本武道館の畳の上に立つ。

前回リオ五輪決勝では絶対王者リネール(フランス)をあと一歩のところまで追い込みながら惜敗。銀メダルに終わった。

今度こそ。その覚悟はこんなところに表れる。

大学卒業後は日本中央競馬会に所属し、柔道に取り組んできた。そこでは成績が出なくてもクビになることはない。リオ五輪の後そんな環境にモヤモヤしていたという原沢。

「本気で人生を懸けて、柔道に打ち込みたいと思うようになりました。今の環境を捨てて、退路を断つ『覚悟』を決めました」

2018年、安定した生活を自ら捨て"フリー"になったのだ。(翌年には百五銀行に所属)

原沢は金メダル獲得に向け、日々励んだ。「1日1日の大切さを実感し、決戦当日どれだけのパフォーマンスができるかを考えています」

リオ五輪の時と比べると、さらに強くなったと実感している。

「前回は若さと勢いで駆け上がった。今回は金を獲ることを目標に5年間やっていた。柔道の幅や技術的な部分も含め成長できたと思う」

結果を残せなかったり、オーバーワークに悩んだ時期もあった。しかしそれも自ら考え、自らの力で乗り越えてきた。

打倒リネールへ。不屈の男の挑戦に期待だ。