45歳漫画家志望が「人に見せるな!」と批評された問題作と気になる月収

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【配信終了日: 7月 2日(火)】動画はこちら

6月24日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜3時55分)では、中野で出会った澁原さんのおうちにお邪魔しました。

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澁原さんのおうちは、中野にある家賃2万6000円・4畳半一間・お風呂無しトイレ共同という、大変雰囲気のあるアパート。24歳で上京してから45歳の現在までずっと、漫画家アシスタントとして働いて生計を立てています。

狭いお部屋には長年積み重ねてきたたくさんの荷物が。中には昔から遊んでいるという電子ゲームもありました。電源を入れるとまだ動くようです。お馴染みのファミコンやスーパーファミコンのソフトもたくさん発見。

さらに、小学生の頃から大好きだという漫画も出てきました。水木しげるの妖怪漫画に憧れて、今も漫画家を目指している澁原さん。お部屋から出てきた漫画は、他にも『プラモ狂四郎』や『キン肉マン』など、懐かしい作品ばかりです。

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物があふれたこの空間で、わずかなスペースに体を押し込んで寝ている澁原さん。キッチン(というか流し台)もあまり使っている形跡がありません。仕事場で寝泊まりしているため、月に5日ほどしか家に帰らないそう。

お部屋にはあるサイン色紙が飾られていました。『へうげもの』という千利休の弟子・古田織部を主人公に描いた作品で、澁原さんは、以前この漫画のアシスタントを務めていました。仕事に使うバッグからは、雲型定規やメモを書いたノート、糖分補給用のキャンディーなどが出てきます。

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澁原さんが描いた絵も見せてもらいました。だいたいどのイラストも少し不気味なテイスト。水木しげるに影響を受けているだけあり、基本的には妖怪を題材にしているよう。

昔描いて漫画評論家に見せたという澁原さんオリジナル作品『うつつ怪奇譚』を紹介。澁原さんいわく「妖怪ばかり出てきて、ドタバタが最後まで続いて、何が何だかわからないうちに終わる話」だそう。主人公となる元人間の妖怪・歯茎男爵がトランクを奪われ、謎の女性の妖怪・うつつと出会うストーリー展開。しかし、これを読んだ漫画評論家は「人に見せない方がいい」とコメントしたそうで、この日の澁原さんも「この漫画ダメです」と自己評価。

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鳥山明が描いた漫画入門本を読んで、学生時代から漫画を描くノウハウを勉強し始めたという澁原さん。父親に初めて「漫画家になりたい」と話したときはブチギレられたと話しますが、それでも夢は諦められなかったようです。

澁原さんは現在、2つの仕事場でアシスタントをやっています。そのうちの1つの現場が、仕事が終わらないと家に帰れないそう。20〜30代の人たちと一緒に仕事をしており、漫画アシスタント用の求人サイトにも、働く条件として「20〜30代」の文字が掲げられています。自分より年上のアシスタントを雇うことに抵抗を感じる漫画家の先生が多いよう。

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稼ぎとしては月に20万円ほどだと話す澁原さん。生活費のほか、近くの「まんだらけ」で大好きなファミコンソフトを買ったりしているそうで、貯金は「そろそろしないと」とのこと。アシスタントを続ける一番の理由は「生活のため。辞めて別なことが自分にはできるのか...」と語ります。

同じ年の友人たちはすでに家庭を持って子どもを育てており、「そういう人生を歩めなかったな」と感じてしまうこともあるようですが、「自分で(漫画を)描いてみたい!」という気持ちの方が強いそう。

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澁原さんは「漫画に携わることができて楽しい」と語ります。理想は、雑誌で新人賞をとって連載をもらって......という漫画家デビュー。今まで5〜6作品描いてきたといいますが、今も「これを描きたい」という思いは巡らせているようです。しかし、「思っているものと違ったらどうしよう」「できるのだろうか」という不安があり、なかなか形にすることができないといいます。

ただこの日、「この漫画ダメですよ」と卑下していた自分の作品、そして歯茎男爵を見ていろいろと気づきを得たよう。これから生まれる澁原さんの妖怪漫画、とても楽しみにしています!

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