大名の駕籠にも乗れる! お江戸ルが教える「お江戸体験スポット」

「東京オリンピック2020」まで、あと1年半。世界中から注目が集まる日本の首都"東京"のこと、どのくらい知っていますか? 約150年前"江戸"から"東京"へ。より深く"東京"を知るため、まずは"江戸"からの流れを振り返ってみませんか。

毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時28分~放送中)から、今回は、"お江戸ル(お江戸のアイドル)"で歴史作家の堀口茉純さんが登場。東京に残る「お江戸を体験できるスポット」をうかがいました。

nanairo_20190303_01.jpg

【お江戸体験スポット1】東京都江戸東京博物館



nanairo_20190303_02.jpg写真提供:東京都江戸東京博物館

「東京都江戸東京博物館」
JR両国駅・西口から徒歩3分、「江戸・東京」の歴史や文化を楽しく学べるスポット。
実物大で再現した江戸時代の日本橋や芝居小屋「中村座」をはじめ、人々の暮らしの様子がわかる縮尺模型や実物資料の展示のほか、見て触って体験できるコーナーも充実。
(開館時間:午前9時30分~午後5時30分 ※休館日は東京都江戸東京博物館公式ホームページでご確認ください)

nanairo_20190303_03.jpg写真提供:東京都江戸東京博物館

「小学生が課外授業で訪れることもあり、わかりやすく紹介されている点が魅力。子どもから大人まで誰もが楽しめます。江戸や東京のことを知る『入門編』として最高のスポットです」(堀口さん、以下同)

【これやってみよう!】
意外に重い! 千両箱を持つ
「当時の出産の様子など、長屋での生活が再現されていたり、火消しの纏や千両箱を実際に持つことができるコーナーもあり、目で見て体験して江戸の歴史を感じられるところが面白いです。"ねずみ小僧"がかついでいた千両箱は結構重たいんですよ」

nanairo_20190303_04.jpg写真提供:東京都江戸東京博物館

大名気分でインスタ映え
「大名の駕籠に乗って写真を撮ることもできます。"インスタ映え"間違いないですよね」

nanairo_20190303_05.jpg写真提供:東京都江戸東京博物館

【お江戸ルここがオススメ!】
「江戸ゾーン→東京ゾーン」の流れに沿って見ていくと、江戸の移り変わりがまる分かり! まずは、入口にある日本橋を渡ると、江戸時代へタイムスリップ。そこから平成まで時間旅行を楽しみましょう。

nanairo_20190303_06.jpg写真提供:東京都江戸東京博物館

「"江戸"がどのように"東京"になっていったのか、現在までの流れを体験しながら楽しく知ることができます。明治時代の街並みの再現をはじめ、戦前戦後、高度経済成長期、さらに平成のルーズソックスなどまで紹介されています」

【お江戸グルメスポット】

nanairo_20190303_07.jpg
複合飲食施設「‐両国‐ 江戸NOREN」
JR両国駅・西口に直結。館内には土俵があり、寿司、天ぷら、甘味処など、江戸の食文化が堪能でき、土産コーナーも充実。

「江戸東京博物館で歴史散策した後の休憩に、またはここで腹ごしらえをしてから出掛けるもよし! いろんなお店が集まっているので、江戸の味を存分に楽しめる場所です」

【お江戸体験スポット2】浅草



nanairo_20190303_08.jpg
「浅草」
国内外から訪れる観光客で連日賑わう東京の下町。浅草寺の雷門や仲見世通りが有名ですが、左右に横切る伝法院通りにも注目。飲食店やお土産店も充実し、江戸の世界に迷い込んだかのようなインスタ映えポイントも多数。

「浅草の町全体に江戸情緒があふれ、その世界観はまるで江戸のテーマパーク。浅草の方々は、江戸の文化を自分たちのアイデンティティーとして知らなくてはいけない、また多くの方に知ってもらわないといけないという意識が高いんです」

【これやってみよう!】
"戦隊モノ"の元祖「白波五人男」を探そう!
「伝法院通りは江戸時代の町並み風に作られていて、歩いているだけで江戸の雰囲気を味わうことができます。通りのどこかに『ねずみ小僧』や、今の"戦隊モノ"の元祖ともいえる『白波五人男』がいるので、探してみるもの楽しいですね」

【お江戸ルここがオススメ!】

nanairo_20190303_09.jpg
浅草寺より北側の奥浅草にある「待乳山聖天(まつちやましょうでん)」は、東京でも最古級の宗教的な聖地で、知る人ぞ知る超強力なパワースポット。また、江戸時代には、この周辺は「猿若町」という歌舞伎や人形浄瑠璃が楽しめるブロードウェイのようなエンタメスポットで、花柳界もあり、少し足を伸ばすと吉原が...という、芸能関係に縁のある場所だったのだそう。

「今も昔も芸能の方たちとの関係が深く、多くの方が参拝されています。ご本尊の聖天様は、とにかくパワーが強い! ここでお参りして願いを叶えていただいたら、もう他のところでお参りすることができないというくらいですので、お祈りする時は本気で」

【お江戸グルメスポット】
浅草名代らーめん「与ろゐ屋」
浅草寺より徒歩1分。醤油ラーメン発祥の地・浅草で25年以上愛され続けるラーメン。

「ゆずがふわりと香る、和風の醤油ラーメンです。女性一人でも入りやすく、外国人にも大人気。看板の上に『白波五人男』の一人がいるので探してみてください」

食べ歩きにはこれ!
「浅草の食べ歩きは、揚げまんじゅうや人形焼も人気ですが、雷門の向かって左側の角にある、江戸時代からの老舗『常磐堂』の雷おこしがオススメ。かなり進化した雷おこしで、ミルクティーやココナッツなどの味があり、形も刀のようなものもあるので、チュロスみたいに食べ歩きにぴったり」

【お江戸体験スポット3】大本山 増上寺



nanairo_20190303_10.jpg
「大本山 増上寺」
徳川将軍家とのゆかりの深い「大本山 増上寺」。芝公園や東京タワーに近い東京都港区・芝大門の寺は600年の歴史をもち、貴重な文化財を展示しています。伝統的な仏教建築「三解脱門」は、第二次世界大戦の戦禍を免れた唯一の建造物。春は桜の名所としても有名。

「徳川の六人の将軍の墓所があるお寺です。私の大好きな14代将軍・徳川家茂のお墓もあります。好きすぎて勝手に"もっちー"って呼んでいるんですけど(笑)」

【これやってみよう!】

nanairo_20190303_11.jpg
徳川将軍のお墓参り
「特別公開されている徳川将軍の墓所は一般の方も自由にお参りでき、私も家茂のお墓参りによく行っています。家茂と奥さんの和宮は幕末の悲劇のカップルですが、今は家茂の隣に和宮のお墓があります。増上寺に参ると二人の夫婦物語にふれられるかもしれません」

【お江戸ルここがオススメ!】
堀口さんが"もっちー"こと家茂を好きなのは、「あまり知られていない歴史上の人物を自分なりに掘り下げていく素晴らしさに気付かせてくれた」からだそう。歴史には、こんな楽しみ方も。

「家茂の骨の発掘資料から、残っていた31本の歯のうち30本が虫歯だったことに驚いて。調べたら、甘いもの好きの"スイーツ男子"だったんです。奥さんは皇女和宮、義理の母はあの篤姫。最初は夫婦仲も良くなかったといわれているので、もしかしたら大奥に帰っても気が休まらず、甘いものを食べて癒されていたのかな...と。こんな風に、歴史には自分の中で物語を構築していく面白さがありますね」

【お江戸グルメスポット】
「芝大門更科布屋」
月替わりで、ゆず、桜、よもぎ、生姜など旬の味と香りを打ち込んだ、江戸時代から伝わる家伝の「変わり蕎麦」が名物。

「江戸時代から続くお店で、江戸のことに詳しい店主の"江戸うんちく"も聞けます。季節によって、ゆずを練りこんだおそばや、桜の赤いおそばなど、江戸の食文化を楽しむことができます」

江戸を知り尽くした堀口さんがオススメするスポットは、どれも興味深いものばかり。初心者から歴史マニアまで楽しめる"江戸探しの旅"は知識欲を刺激すること間違いなし。間もなくやってくる桜の季節、江戸に思いを馳せながら、東京の町を歩いてみませんか。

取材協力:堀口茉純さん。2007年、時代劇で女優デビュー後、2008年に江戸文化歴史検定一級を最年少で取得し、「江戸に詳しすぎるタレント=お江戸ルほーりー」として注目を集める。お江戸ル、歴史作家、時代劇女優、歴史タレント、プロ歴女、歴史の水先案内人(ガイド)として活動。著書「吉原はスゴイ」「江戸はスゴイ」(PHP新書)など多数。江戸の名優たちと"芝居国"の歴史をわかりやすく解説する最新刊「歌舞伎はスゴイ」(PHP新書)が、3月16日(土)発売。
オフィシャルHP:https://hoollii.com/

堀口茉純さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時28分からのOAも要チェックです!

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
x
x