爆発注意!?調理に5時間!京大大学院生YOUがサモア飯を屋外クッキング!:YOUは何しに日本へ?

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「超ハードなグルメにゾッコンLOVE 料理は愛情!SP」。全国を巡って過酷なグルメを求めるYOUたちに密着する95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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東京と大阪の2大都市で、YOUの故郷の味を直撃し、作ってもらってゴチになる「YOUの自慢の母国メシは?」。

大阪で声をかけたのは、サモアから京都大学大学院に留学中のヨセファさん。マングローブの研究をしている博士課程の3年生で、おもに生態学を研究中だそう。そんなインテリYOUの母国メシを聞くと、「ウムという食べ物です。日本で作るのは難しい」という。なぜなら家族に怒られるから...と苦笑するが、どういうこと?

「(ウムは)毎週日曜日に必ずみんな食べる。美味しい」というバーベキュースタイルの伝統料理だが、「怖いのは、石を温めるんだけど間違えたら爆発するよ!って言われた。爆発する確率がある」というのだ。爆発するって、いったいどんなワイルドな料理か気になる。ゴチになりたいとお願いすると快諾してもらえたので密着決定!

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家では危険すぎて作れないので、向かったのは山林。待ち合わせ場所には、巨大なバナナの葉とココナッツを抱えたヨセファさん(32歳)、臨月の妻サエコさん(39歳)、アリアちゃん(5歳)&エミリアちゃん(2歳)のかわいい愛娘、ヨセファさんの弟のベンさん(27歳)が現れた。かなり手間がかかるので、マッチョなベンさんを連れてきたという。ウムはパワーがいる料理らしい。

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そんなウムを作るのは、キャンプ場だ。まずはみんなで石拾いを始め、集めた石で調理場を作る。敷いた石の上で火をおこし、さらに大きめの石を置いて温める。「ウムの面白いところは昔から全く変わってない。石を使ってご飯作るって」。

ちなみにサモア独立国とは、南太平洋の大小9つからなる美しい島国で、人口は約20万人。農業・漁業・観光業が盛んで、国民は伝統的なポリネシアの慣習を守って暮らしている。今回ゴチになるウムとは、温めた石を使って食材を蒸す料理のことで、ワイルドな調理法や味は約3000年前から変わらないという。


石を火であぶっていると、ボーンと爆発音が!! 見ると石がまっぷたつ! 危険...。

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約1時間後、いよいよ調理開始。実は調理器具も手作りのものを使う。タロイモの皮むきは、空き缶を利用したピーラーで、ココナッツの実は靴ベラを改造した道具で削る。ベンさんがガリガリし始めると、エミリアちゃんが自分もやりたいとお手伝いを始めた。エミリアちゃんはまだサモアに行ったことがないので、「私がどうやって育ったか伝えたい」とヨセファさん。ウム作りは、娘にサモア文化を伝えるいいチャンスなのだ。

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ヨセファさんは、サモアで柔道を教えていたサエコさんと知り合って来日した。サエコさんの実家は柔道の道場で、オセアニアW杯で優勝するほどの実力者。安全なサモアでは警察官が拳銃を持たないので、護身術の柔道を学ぶのだ。生徒時代のヨセファさんは、かわいいサエコさんに見とれて巴投げであっさり投げられたこともあったという。当時18歳のヨセファさんは、壁ドンならぬ"巴投げドン"で、7歳年上のサエコさんに恋をしたのだ。猛アタックで交際がスタートし、2年後には一緒に日本へ。

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弟のベンさんも、サエコさんがきっかけで日本に柔道留学することになった。その後、東京五輪ではサモア代表として出場までしたというから驚きだ! この時は1回戦で敗退したが、「次のオリンピック行きたいから、日本で練習しています」と、「パリ五輪」を目指して猛練習に励んでいるという。

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およそ4時間後、3時間かけて7個のココナッツを削り終わり、汁を絞る作業へ。ひたすらココナッツを絞り、ようやくボウルいっぱいにたまったら、タマネギと塩を投入。タコ入りの器にそれを入れてホイルで包むと準備は完了だ。

鯛にレモンとココナッツクリームをかけてバナナの葉で包んだものと一緒に、釜に並べる。空き缶で剥いたタロイモ、皮を剥いたバナナは石の上に直置きし、上に大量のバナナの葉を被せたら、オーブンのように蒸し調理スタート。待ち時間はウクレレでセッションするなど、陽気に楽しむのがサモア流だ。

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午後3時、調理から5時間ほどたってようやくウムが完成! 蒸しバナナはホクホク、タコ入りココナッツスープはほかほか、鯛はホロホロに仕上がった。美味しそう~、いただきま~す!

基本的な食べ方は、バナナやタロイモにスープをディップ。そのままでいただく鯛も、家族に大好評だ。ヨセファさんは「本当にサモアを思い出す味。結構一緒」と出来栄えに大満足。

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お腹ペコペコの番組Dも、さっそくゴチに。サバ入りのココナッツクリームにタロイモをディップしていただくと、「おお、美味しい! マナイア! ほんのりココナッツの香りがしたクリームシチューに、魚介の旨味が入って、めっちゃウマい!」とテンションまで爆発!!

ヨセファさんは「最高だよ、日本でウムが食べられるなんて。特別な1日だった」と喜んでくれたので、ゴチになって良かった。恩返しに何をしようか迷っていると、「柔道の練習台になってもらおうかな」とオファーされたので、柔道歴1年のアリアちゃんの練習台になり、さっそく巴投げ(笑)で1本とられたところで密着は終了。愛情たっぷり、手間もたっぷりのワイルドなウム、ごちそうさまでした!

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