インタビュー
竹中善左衛門役 梨本謙次郎さん
残すところ1シーンとなりましたが、今のお気持ちをお聞かせください。
久しぶりに殺陣もできましたし、楽しかったです。殺陣は難しいですけど、僕らの子どもの頃ってチャンバラごっこをしてたし、心が躍るものがありますよね。
合戦シーンは甲冑を着ているので、動きも制限されますし、殺陣も普段とは違います。けど、冑(かぶと)をかぶることにも憧れがありますから、本当に楽しかったですね。
演じられた竹中善左衛門については、どうお感じになりましたか?
戦国時代って、なかなか人を信じられない時代だと思うんです。命の駆け引きをしている中で、「1人の男を信じてついていく」というのは賭けじゃないですか。その人がダメになれば自分もダメになるわけだし、ダメだからって他の人に行けば信用してもらえなくなりますし…。
ドラマの中で(竹中)半兵衛は「信義」とよく言うんですが、「自分の信じたものを貫いて生きていく」というのは大変な生き方ですけど、周りが認めてくれたら、これだけ男らしいことはないですよね。
僕も「半兵衛様についていく」という意味で、善左衛門としての「信義」は貫けたかなと思っています。
半兵衛様は、山本(耕史)さんが演じたせいもあるかもしれないけど、寡黙で、内にある闘志のようなものを表に出さずに、ただ真っ直ぐ、それこそ信義を貫く。だから、かっこよかったです。「いい殿様につけて良かったな」と思いますね。
今回の作品は、軍の参謀である黒田官兵衛と竹中半兵衛を中心に描いた作品ですが、もし、どちらかを選択するとすれば、参謀になりたいですか?
それとも参謀がほしいですか?
ほしくはないけど、なりたくもないな(笑)。
「自分がてっぺんに」というタイプではないですから、誰かの下についているほうが楽な気はしますけど、死ぬまで付き合っていけるかといえば、なかなかそういう人もいないし…。もちろん、恩師の役に立ちたいとは思いますけど、参謀という感じではないですよね。
僕は1人でいるのが平気なので、それなら1人で行っちゃおうかなっていうタイプです。なるようになるって思っているから(笑)。
テレビで観ることのできる時代劇が少なくなっていることについては、
どう思われますか?
僕が初めて本格的に時代劇をやらせていただいたのも、京都に来させていただいたのも、この新春ワイド時代劇だったんです。
今は亡くなられた方もいらっしゃいますが、先輩の俳優さんからいろいろ教えていただきました。だから、大切にいい作品を作りながら、この新春ワイド時代劇もそうですけど、時代劇を守っていけたらなと思います。いい作品を作れば、観る人にも「面白い。時代劇っていろんな可能性があるんだな」って絶対に思ってもらえるはずだから。
波はあるんでしょうけど、いつかまた、時代劇が増えてくれればと思います。僕は時代劇が大好きですし、時代劇のいいところを知っている僕らが踏ん張らないといけないな、と思っています。
放送を楽しみにしている視聴者に向けてひとこと!
時代劇の伝統的ないいところを残しつつ、若い俳優さん達が元気に演じていますし、西田(敏行)さん始め、先輩方も出ていらっしゃいます。そういう意味では、バラエティーに富んだ、ちょっと新しい作品なのかな。
そんな時代劇になっていますので、ぜひ、観てください。よろしくお願いします。