優れた技術者として2022年度の「かわさきマイスター」に認定された生田在住の三線(さんしん)職人・前浜政次さん(71)=人物風土記で紹介=が先月16日、県立菅高校で出前授業を行った。沖縄県への修学旅行を今年11月に予定している1年生340人が参加し、講話や演奏で文化に触れた。
前浜さんは出身地の与那国島について、「サトウキビで黒糖を作っていたり、農業が盛ん。海はとてもきれいでカジキが有名」と説明。沖縄は島ごとに言葉が全く違うことや、島を出たときの苦労話を伝えた。
後半は家族と仲間6人で三線や歌を披露。沖縄伝統の染色技法「紅型」の着物を身にまとい、民謡5曲を奏でた。両手を頭上に挙げて手首を回す踊り「カチャーシー」を生徒と踊る場面も。参加した杉本凱さん(16)は「三線自体を知らなかった。沖縄の新しい一面を見られて、修学旅行が楽しみ」と話した。
今回の授業は同校が前浜さんに依頼し実現。企画した五十嵐とし江教諭は「生で三線の音色を聞いたことがない生徒も多く、理解を深めるきっかけになった」と振り返った。前浜さんは「若者たちに沖縄のことを知ってもらう機会をもらえてうれしい」と語った。
「市内最高峰の匠」
市が認定する「かわさきマイスター」は1997年度に開始。産業発展や市民生活への貢献、後進育成に力を注いだ現役職人に「市内最高峰の匠」として贈られる。今年度は15人の応募があり、金属ヘラ絞りや精密研削加工など、前浜さんら5人が選ばれた。多摩区関連では、長尾で美容室ANRIを営む蓮見正道さん(64)以来4年ぶり。市全体で78職種119人が認定されている。
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