価値の秘密:あなたが知らない4つの価値訴求の秘訣

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価値の秘訣、ご存知ですか?

実際に商品やサービスをご利用いただく前の「営業段階」において、お客様に価値を感じていただく方法をご存知でしょうか?

価値を感じていただくためには、実際に商品やサービスを導入、ご利用いただくことはもちろん大事で外せないことなのですが、今回お話しするのはそれより前の段階、「営業段階において価値を感じていただく方法」です。

 

営業段階ということは、極端に言ってしまえば、例え失注したとしてもその価値を感じていただくことは可能ということです。
(これについては「価値訴求」という言葉で別の記事でもお話しています)

 

この「価値訴求」というのは、お客様に価値を感じていただくことによって自分や自社に対する期待や信頼を上げていく、いわば自社の優先順位を上げていくようなこと、という意味で考えていただければと思います。

価値を伝える4つの方法

では、この「価値を伝える」ということについて、4つの方法を考えていきましょう。

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こちらのマトリックスでは、縦が「感情軸」、横が「思考(機能)軸」とし、ゾーンを4つに分けてています。

 

【左下のゾーン】

まずは感情軸も思考軸も低めの左下のゾーンです。
あまり頭も使わず、感情の面もそこまで動かさずにできる「労務提供」というゾーンになります。

これは「お客様に発生した何かの仕事や作業、業務を肩代わりすること」です。

 

いろいろなタイプの業界があるとは思いますが、たとえば企業対企業の場合、お客様が社内で資料を作らないといけない時にその資料の一部を代わりに作る、というようなことが「労務提供」にあたります。

あるいは、小売の販売チャネル向けの消費財メーカー向けに営業をされている方であれば、小売店舗の店長や店員に代わって、買い出し業務や改装作業をお手伝いするといった、何かの仕事を直接自分が代わって行なうことが「労務提供」です。

これはお客様に商品やサービスを導入いただく前の段階でも、「やってくれてありがたいな」と、確かなメリットや価値を感じていただけることです。

ただ、これだけやっていても単なる「御用聞き」や「お手伝い」になってしまいます。

 

【左上のゾーン】

そこで、労務提供よりも感情軸を高くした、左上の「共感」という価値提供の方法があります。 

例えばお客様が、社内でたくさんの人達を巻き込まなければならずに大変な思いをしているけれど、その気持ちを誰もわかってくれない、などネガティブな何かを感じているとき、そのお客様へ「感情の面で寄り添うこと」が「共感」です。

「あなたの大変さは私もよくわかりますよ」「それはとても大変ですね」と、一生懸命理解しようとするだけでも、お客様から「自分に味方ができた」と感じていただけます。

 

また場合によっては「自分の大変さの愚痴をこぼす相手ができてありがたい」「自分の思いをわかってくれる人がいて、社内でものごとを進める時に心強い」と感じていただくことも、価値提供になります。

その先には、感情面で言えば「一緒にいることで成長できそうだ」「この人といると刺激がある」など、自己実現という面で貢献することにも繋がります。

これが「感情面」の価値訴求です。

 

【右下のゾーン】

一方で思考軸(機能軸)に沿った右下のゾーンに、たとえば「情報や人の紹介」という価値提供方法があります。
これは、「自分が持っている情報や人のネットワークをお客様に提供すること」です。

 

例えばお客様が何か調べ物をしないといけない場合や、企画をするにあたって何か特定のことを知っておかないといけないときに、それに関して役立ちそうな本の情報を送ったり、手持ちの社内資料から差し支えないところを送ったりし、その情報をお客様が社内の企画に使うことなどが「情報提供」になります。

あるいは、自分の持つ人脈から人を紹介することでお客様が助かる、といったことも思考軸(機能軸)に沿った価値訴求と言えます。

 

【右上のゾーン】

相手にとっても感情的にぐっと響くものがあり、こちら側としても思考がより発揮された右上のゾーンに、「提案・提言」というものがあります。

これは、「御社はこういう風にされたらいいんじゃないでしょうか?」「●●さん、こういう風にされたら上手くいきますよ」というように、相手の進む方向性やアクションに対して、直接的なアドバイスや何らかの示唆を提供することです。

この提案や提言によって、お客様が「なるほど」とぐっと突き動かされるものがあれば、これも一つの価値訴求になります。

 

理想は「提案・提言」がコンスタントにできることで、それができる営業は「問題解決型営業」「提案型営業」と呼ばれたりします。

この提案や提言というのは、自社のサービスや商品の提案という場面にしか使えないものではありません。

お客様が何かに悩んでいる、もしくは困っているときに提案や提言ができれば、その悩みを解消するための大きなサポートになります。

こういった提案や提言がコンスタントに出てくる営業であれば、お客様からしても手放したくはない存在になるということです。

価値訴求を進化させるために

成果を出している営業の方がお客様に対してやっていることを、「価値訴求」というひとつのキーワードとし、その方法を4つに分類してみました。

 普段皆さんがされていることや、社内のハイパフォーマーの方がされていることをこの4つの視点に沿って整理してくと、「自分は今まで共感に寄っていたけれど、もっと情報提供もした方がいいな」とか、「自分は資料や情報を送っているけれど、そこで止まっているな。もっとお客様がぐっとくるような提案にまで踏み込んだ方がいいな」という風に気付くきっかけになると思います。

 

このように、自分の価値訴求を整理し、進化させるためのひとつの枠組みとして、この「4つの視点」をぜひご活用いただければと思います。