歌手・鬼束ちひろがチューリップの名曲「青春の影」をカバーで歌唱した音源が6日、配信された。同曲は27日にリリースされる鬼束のBOXセット「UN AMNESIAC GIRL~First Code(2000-2003)~」からの先行配信曲だ。

 BOXセットでは東芝EMI時代のオリジナルアルバム3作品「インソムニア」「This Armor」「Sugar High」のリマスター音源などをCD化。さらに、デビューのきっかけとなった初オーディションの時に録音された貴重な生歌唱音源、未発表のカバー音源、アルバムに未収録だった楽曲を収録した全16曲のスペシャル・トラック集を合わせたものだ。

 今回、先行配信された「青春の影」はバンド・チューリップが約50年前の1974年にリリースした6枚目のシングルだ。卒業式や結婚式などさまざまなシーンで歌い継がれた名曲で、これまで数多くのアーティストがカバーをしていることでも知られる。鬼束がこの「青春の影」を歌ったのが2003年6月に大阪城ホールで開催されたFM802のイベントだった。

 同イベントで鬼束は自身の「月光」を歌唱し、次にピアノ伴奏のみで「青春の影」を披露した。儚くも透明感のある鬼束の歌声と心にしみ渡る優しく心地よいメロディーが、瞬く間に会場の空気感を変えてしまい、当時、大きな反響を呼んだ。その「青春の影」をスタジオでレコーディングしていた音源が発掘され、BOXに収録されるとともに今回、先行配信でリリースされた。時代を超えた名曲を歌う鬼束の「青春の影」は、これまでとはまた一味違った雰囲気を醸し出している。