ゲームクリエイターで有限会社ソラ代表の桜井政博氏が21日、千葉・幕張メッセで行われた「東京ゲームショウ 2023 メインステージイベント『日本ゲーム大賞』」に出席した。

「大乱闘スマッシュブラザーズ」や「星のカービィ」を手がけたことで知られる桜井氏はこの日、ゲームデザイナーズ大賞部門の司会を担当。「教育系ユーチューバーの桜井と申します。本職は内緒にしておきます」と自己紹介し会場の笑いを誘った。

 ゲーム大賞のもう一つの〝顔〟であるゲームデザイナーズ大賞は、トップクリエイターが創造性や斬新性を基準に評価し、1作品を選出。その意義について、桜井氏も「ゲーム大賞は価値のある大賞ですが、どうしても人気票になりがちなんですね。ゲームの多様性や将来性を考えると、それだけではいけないことは理解していただけるのではないかと思います」と説明した。

 見事、大賞に選ばれたのはデスクワークスが開発した『RPGタイム! ~ライトの伝説~』。桜井氏は「万単位で世界ではゲームが出続けている中で、全く新しいグラフィック表現を作るのは不可能だと思っていました。だけど今回の作品は誰から見てもこの作品にしかない個性を持っています」と分析。「そして誰もが遊んだ手作りゲームに近い表現をしていて、作り込みも激しく、驚きがいろいろとあった作品でした。今回の大賞にふさわしいのではないでしょうか」と賛辞を送った。

 トロフィーを受け取ったゲームクリエイターの藤井トム氏は2007年の日本ゲーム大賞アマチュア部門で、当時の『RPGタイム』で受賞した過去を持つ。過去のアマチュア部門大賞受賞者が、年間作品部門で再び受賞するのは日本ゲーム大賞史上初の快挙で、「私たちが一ファンであり、大尊敬しているゲーム開発者の皆様に『新しいね、斬新だね』と褒めていただいたことには、特別な喜びがあります」と感慨深げに語った。