虹を探そう 朝夕の雨上がり 太陽背に

2021年3月23日 07時31分

Agreスタジアム北谷に懸かった虹=沖縄・北谷で

 暗いニュースが多い中、ふと見上げた空に虹がかかっていると、幸せな気分になります。どうすれば虹に出合うことができるのでしょうか。
 虹を七色と決めたのは、「万有引力の法則」で有名なアイザック・ニュートン(一六四二〜一七二七年)。プリズムを使って太陽光を分光する実験を行い、「ドレミファソラシド」の音階に合わせて七つの色に決めたそうです。これに従って日本では一般的に七色で表されますが、国によっては五色だったり、二色だったりとさまざまです。
 虹は、太陽光が空気中の水滴に反射して戻ってくるときに見えます。太陽の光は映画館の映写機、水滴はスクリーンのような役割を果たしてくれるのです。これと同じように、虹を探すときは、太陽(映写機)を背にして、スクリーン(通り過ぎた雨)の方向に目を向けます。虹は太陽と正反対の方向に見えます。
 ただし、映写機が上を向いたり下を向いたりしていると、観客席から映画は見えません。映写機がちょうどよい角度になり、虹がよく見える「特等席」は、太陽の位置が低い朝や夕方。雨上がりに空を見上げると、大きな虹が目に入ってくるかもしれません。
 「どうしても早く虹を見たい!」という方は、晴れた日に太陽を背にしてホースで水をまいたり、霧吹きを使ってみてください。どの方向に、どんな角度で虹が見えるのか確認すると、科学の実験にもなります。
 雨がやみ、太陽が出た時に見える虹は、ご褒美のように感じられます。コロナ禍が過ぎたときには、どのような虹が見えるのでしょうか。「やまない雨はない」と信じて、一歩ずつ進んでいきましょう。 (布施谷航)
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 お空のみかたの連載は今回で終了します。気象災害時などには随時、番外編を掲載します。

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