菅義偉首相の長男と総務省幹部の会食 接待禁止対象の「利害関係者」に当たる疑い

2021年2月15日 21時10分
衆院予算委員会で答弁する秋本芳徳情報流通行政局長。(右)は菅義偉首相=8日、国会で

衆院予算委員会で答弁する秋本芳徳情報流通行政局長。(右)は菅義偉首相=8日、国会で

 総務省幹部4人が放送事業会社「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男と会食していた問題を巡り、同省の原邦彰官房長は15日の衆院予算委員会で、国家公務員倫理規程に抵触する可能性を認めた。官僚が接待を受けることを禁じている利害関係者に首相の長男が「該当する疑義があることは否定できない」と語った。(山口哲人)

◆懲戒対象になるかは「人事院と相談して判断」

 原氏は、幹部4人を懲戒対象とするかどうかについて、会食が設定された当初はその認識がなかったとして「人事院と相談しながら判断する」と答えた。
 幹部4人のうち秋本芳徳情報流通行政局長は、首相の長男が勤める会社以外、許認可先の事業者と会食したことはないと明言。政府などが不要不急の外出自粛を求める中で会食に応じた理由について「東北出身者の懇親会という色彩が強かった」と釈明した。

◆野党は「首相の息子だけ特別扱い」と批判

 立憲民主党の今井雅人氏は「首相の息子だけ特別扱いだ」と指摘。官僚の忖度そんたくを生んでいると批判した。首相は「誰であっても、国民から疑念を抱かれるような行動は控えるべきだ」と話すにとどめた。
 秋本氏は、2016年7月以降に会食した計4回のうち、会費を負担しなかったのは昨年12月の1回のみと説明した。当時は東北新社の子会社が手掛ける衛星放送の認定更新時期で、会費を支払わなかった理由は「特にない」と語った。この子会社は、首相の長男が役員を務めている。
 総務省は、18年に情報流通行政局長だった山田真貴子内閣広報官から聞き取った結果として、局長在職当時の会食について「明確な記憶はない」との回答があったと明らかにした。

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